君に、虹色の恋をした。
 そして、屋上のドアを開けた……。

 風が揺れる。

 もう先に飛颯くんは来ていた。
 柵の向こうを眺める背後は流石、かっこよすぎた。

「飛颯くん」

 名前を呼ぶと、振り返ってくれる。

「あの、私ね、飛颯くんのことがす」
「ちょっと待って、俺から言わせて?」

「へ?」

 また飛颯くんが私の言葉を遮った。

 俺から言わせて、とは?



「俺、紗奈ちゃんのことが好きや。だから……付き合ってくださいっ」



 ……!

「ちょっと飛颯くん、私が言うこと先に言わないでよ……!」

 泣きながら笑う。

「よろしく、お願いします」

 事の進みが早すぎるってば。

 え、私飛颯くんに告白されたんだよね。
 私は今、飛颯くんの彼女判定なんだよね。
 そっか、そっかぁ。
 私、振られなかったんだね。
 良かった……。
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