さよなら、坂道、流れ星
第7話 ニュース
夏休み、昴は宣言通りほとんどバイトをして過ごしている。全く会えないというわけではないが連日のバイトのことを考えると、この暑さの中疲れているだろう昴を遊びに誘って良いのかわからない。
そんな悶々とした日々を過ごしていた8月の初め、千珠琉にとって嬉しいニュースと、これ以上ないくらい最悪の報せが舞い込んだ。
『明後日はペルセウス座流星群の極大日となります。ではお天気は…』
「えっ!」
ダイニングで遅めの朝食のパンにかぶりついていた千珠琉はテレビのお天気情報に反応して寝ぼけていた目を覚ました。
「八重さん!また!流星群だって!」
キッチンにいる母にテンションの高い声で話しかける。家でも“八重さん”という呼び方がお決まりになっている。
「あんた本当に好きね、そういうの。」
八重子は、さっきまで寝ぼけ眼だった娘の急激なテンションの上がり具合に呆れ気味である。
「また昴と一緒なら見に行っていいでしょっ?」
「いいけど、昴君だって忙しいんだからあんまり迷惑かけたらダメよ?」
「あぁ昴のバイト?一晩くらい大丈夫じゃない?」
「バイトも忙しいみたいだけど、今は引越しの準備とかもあるでしょ?」
「そんなに長い時間拘束するわけじゃないし…」
八重子の言葉を気に留めずに話し続けた千珠琉だが“引っ越し”というワードをワンテンポ遅れて頭が認識した。
「———え?」
八重子の口から予想していなかった単語が発せられたことに意識が追いついた。
そんな悶々とした日々を過ごしていた8月の初め、千珠琉にとって嬉しいニュースと、これ以上ないくらい最悪の報せが舞い込んだ。
『明後日はペルセウス座流星群の極大日となります。ではお天気は…』
「えっ!」
ダイニングで遅めの朝食のパンにかぶりついていた千珠琉はテレビのお天気情報に反応して寝ぼけていた目を覚ました。
「八重さん!また!流星群だって!」
キッチンにいる母にテンションの高い声で話しかける。家でも“八重さん”という呼び方がお決まりになっている。
「あんた本当に好きね、そういうの。」
八重子は、さっきまで寝ぼけ眼だった娘の急激なテンションの上がり具合に呆れ気味である。
「また昴と一緒なら見に行っていいでしょっ?」
「いいけど、昴君だって忙しいんだからあんまり迷惑かけたらダメよ?」
「あぁ昴のバイト?一晩くらい大丈夫じゃない?」
「バイトも忙しいみたいだけど、今は引越しの準備とかもあるでしょ?」
「そんなに長い時間拘束するわけじゃないし…」
八重子の言葉を気に留めずに話し続けた千珠琉だが“引っ越し”というワードをワンテンポ遅れて頭が認識した。
「———え?」
八重子の口から予想していなかった単語が発せられたことに意識が追いついた。