The previous night of the world revolution~P.D.~
「いやはや、楽しかったですね〜」

「あぁ。さすが『frontier』だな」

「どうでした?セカイさん」

「凄く面白かった!また連れてきてね、ルーチェス君」

「今日も可愛かったなぁ、ベーシュちゃん…」

「アリューシャ、疲れた?眠い?」

「んにゃ〜…。…zzz…」

「…お前ら…」

上から。

俺、ルルシー、ルーチェス、ルーチェス嫁、シュノさん、アイズ、アリューシャ、ルルシーの順である。

皆、思い思い楽しんでくれたようで何より。

ライブで騒ぎ疲れたらしいアリューシャは、既に寝落ちしてしまったので。

「よいしょっと…」

アイズが背中にアリューシャをおんぶして、運んであげていた。

「その馬鹿、会場に置いて帰れ」

ルルシーったら、過激なんだから。

…さて、それはそうと。

「ルリシヤ、後でオムライスとチュロスとフラッペ、届けさせますね」

「あぁ、頼む」

「シュノさんも。アクスタ、明日まで待ってもらって良いですか?」

「うん、急がなくて良いよ。ありがとう」

…それから、これは皆に。

「皆さんに後日、プレゼントをお渡ししますね」

「プレゼント…?何だ?」

何だと思う?

聞いて驚け、ですよ。

「今日のライブに参加した、全アーティストの直筆サイン入り色紙です」

「えっ…!」

これには、ルルシーもびっくり。

「本来は、会場でCDを購入した人限定で、抽選100名に送られる超レアアイテムなんですが…」

「お前、まさかそれもスポンサー権限で…」

「…てへっ」

そういうことです、ルルシー。

「てへっじゃないんだよ。てへっじゃ。そんな不正を…」

「抽選100名に配られるのは事実ですよ。ただ、予備に10枚くらい多めに用意しておいたので」

俺達がもらうのは、その予備分だ。

会場でCDを買った、幸運な100人のもとにも、ちゃんと届けられますよ。

「凄い…!ありがとう、ルレイア。大事にするよ」

シュノさん、大喜び。

いえいえ、とんでもない。

今日は皆さんが来てくれたお陰で、俺も楽しかったですからね。

ちょっとしたお土産みたいなものだ。

「全く…。権力の濫用だ…」

まぁ、ルルシーはぶつぶつ言ってましたけど。

別にこれくらい、可愛いものじゃないですか…と。

言おうとした、そのとき。

何処からか視線を感じて、俺は振り向いた。

「…?」

…誰もいなかった。

何だ、今の…。誰か…。

「…ルレイア?どうした?」

ふと立ち止まった俺を、ルルシーが呼んだ。

「あ、いえ…何でもないです」

そう言って、俺は視線を感じた方向に背中を向けた。

…何事もないとは思うが。

あまり、気にし過ぎてもな。

何より、今日くらいは…余計なことに煩わることなく、楽しく一日を終えたかった。
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