The previous night of the world revolution~P.D.~
機内でわちゃわちゃしている間に、箱庭帝国に到着。

その後、ルアリスが用意した、帝都の一流ホテルにチェックインした。

ルティス帝国ほどじゃないけど、結構良いホテルだ。

「セカイさんを預かってもらったときも思いましたけど、箱庭帝国のホテルって、意外と悪くないですよね」

ルーチェスも、俺と同じことを考えていたようだ。

ベルガモット王家の皇太子として、幼い頃から各国を巡り。

様々な国の一流ホテルを見てきたルーチェスが、こう言うのだ。

箱庭帝国のホテルがどれほどのものか、想像がつくというものだろう?

「同感ですよ」

「箱庭帝国っていうと、失礼ながらもっと貧しい国という印象がありますからね」

おぉ、君言うねぇ。ルーチェス。

でも、その印象は分かる。

長い間箱庭帝国は、憲兵局による支配のせいで疲弊し、ルティス帝国とは比べ物にならないほど国力も弱かった。
 
そんな箱庭帝国が、今やルーチェスを驚かせるほどの発展を遂げているのだ。

それもこれも、革命に協力した俺の功績ですね。

「箱庭帝国は今、観光事業に力を入れてますからね。ホテルの質を上げるのは大事なんでしょう」

「成程、そうですね」

俺もこれまで、それなりに様々なホテルに宿泊してきたけど。

箱庭帝国でこれなら、充分及第点だろう。

正直、ルティス帝国にも負けてないと思う。

「ルレイア、ルーチェス」

「あ、ルルシー」

俺とルーチェスが話していたところに、ルルシーがやって来た。

「どうかしました?」

「日程を確認したくてな。確か、式典は明日だったよな?」

「えぇ、そうですよ」

何かあったときに備えて、一日前に入国したけど。

肝心の式典は、明日の夜だ。

「だから、それまでは自由時間です」

各々、好きなように過ごしていることだろう。

アリューシャは、飛行機の中ではしゃぎ疲れてるらしくて、今日はこのまま寝るって言ってたし。

アイズはそんなアリューシャに付き添って、ホテルの部屋で過ごすそうだ。

シュノさんは、帝都の繁華街を巡ってショッピングするとか。

クランチェスカ夫妻も、華弦と共に出掛けると言っていたし。

ルリシヤに何をするのか聞いてみたら、「ふっ」と一言だけ答えて、早々にホテルから出ていった。

まぁルリシヤなら、心配は要らないだろう。

「ルーチェスは、明日まで何するんですか?」

「僕、近くの観光地をセカイさんと回る約束してるんですよ」

成程、デートですね。

それは羨ましい。

「セカイさん、先にロビーで待ってるはずなので。行ってきますね」

「えぇ、行ってらっしゃい。楽しんできてくださいね」

「勿論です。ルレイア師匠も」

そう言って、ルーチェスは手を振って嫁のところに行ってしまった。

…さて。

「…じゃあ、ルルシーも俺と一緒に行きましょうか」

「は?」

は?って何ですか、は?って。
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