The previous night of the world revolution~P.D.~
「ちょっと、ルルシー?それはあまりにも酷くないですか?」

愛しい恋人が、一緒に過ごそうと誘ってるんですよ?

ルルシーが恥ずかしがり屋なのは分かってるけど。

もうちょっと喜んでくれても良いのでは?

「一緒にデートしましょうよ、デート」

「断る。誰がお前とデートなんかするか」

ちょっと。今の聞きました?

精神的DVに値する発言ですよ。

「ルルシーは何をするんですか?明日まで…」

「いや、別に…。特に決めてた訳じゃないが、部屋でのんびり過ごしても良いし、プールもあるみたいだし…」

ホテルで過ごすつもりだったのか。

ホテルデートでも観光地デートでも良いですけど、とにかく俺はルルシーと一緒に過ごしたい。

「デートしましょうよ〜、ルルシー。一緒にプール行って、一緒にバーに行って、一緒に大浴場に行って…。そして、一緒のベッドに入りましょう…?」

「断る」

俺の渾身の「お誘い」を、そんな冷たい一言で一刀両断するなんて。

泣きますよ?俺。

「ルルシーは俺とデートしたくないんですかっ?」

「あぁ。お前とデートをする趣味はない」

がーんっ。

ルルシー、あなたなんてことを…。シュノさんやルリシヤが今この場にいたら、二人に慰めてもらうところでしたよ。

「酷い…。ルルシーが、俺にこんなに冷たいなんて…。…倦怠期ですか…?」

「何を誤解してるのか知らないが、俺はお前の恋人になった覚えも、ましてや夫婦になったつもりもないからな」

酷い。

思わず、膝をついてしまいそうになった。

…しかし。

「…ただし、恋人としてじゃなくて、親友として…相棒としてなら、いくらでも一緒にいてやる」

えっ?

俺は、がばっと顔を上げた。

「何処に行きたい?ルーチェス達みたいに、観光地を回るか?それとも、ホテルで一緒に過ごすか?」

る…。

「ルルシー…」

「…何だよ。そのキラキラした目は…」

「俺のこと、嫌いになったんじゃないんですね?」

「なる訳ないだろ…?何年一緒にいると思ってんだ」

…きゅんっ。

聞きました?今の俺の胸が、きゅんって言いましたよ。

少女漫画的展開。

「じゃあ、じゃあ、一緒にカフェに行きましょうよ。ここ、ホテルの中にお洒落なカフェがあるらしくて」

「そうなのか。分かった」

本当はお酒を飲みたいところだけど、まだお昼だし。

お酒は夜までお預け。

「それから、エステにも行きたいです」

「俺はエステは遠慮するけど…まぁ、ついてってやるよ」

やったぁ。

「ルルシ〜。しゅき〜」

「くっつくな!」

もう、本当ルルシーったらシャイなんだから。

そういうところ、本当しゅき。

…じゅる。
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