The previous night of the world revolution~P.D.~
その他、俺達は次々と出てくる黒い料理の試作品を食べさせられた。

見た目のインパクトは凄いが、食べてみると以外と普通で、美味しい。

しかし原材料を聞くと、途端に吐き気を催す。

ついでに、その原材料の稀少性故に、どれもこれも値段が高い。

ルレイア。お前の「ブラック・カフェ」さぁ…本当に流行るのか?

大丈夫か?心配になってきたんだけど。

つーか、冷静に考えてみて思うのは。

…シェルドニア王国の食材って、本当…何て言うか…。

…凄いよな。

俺はルティス帝国出身で良かったと、心から思うよ。

食文化は大切だ。食文化は。

「さて、そろそろ本日の『ブラック・カフェ』の営業は終了します。皆さん、どうでしたか?」

「すげー美味かった!」

アリューシャには大好評。

良かったな。

野菜以外だったら、お前はカエルの唾液だろうが、コモドドラゴンの卵だろうが、平然と食うんだな。

「面白いよね。どれもこれも黒くて」

「格好良くて流行ると思う」

「高級感のある色だからな。バズること間違いなしだ」

「さすがルレイア師匠ですよね〜。僕も見習わないと」

何故か、俺以外の幹部組は皆好印象。

お前ら頭大丈夫か?それとも俺がおかしいのか?

俺が過敏に反応してるだけで、世の中の一般人は、平気でコモドドラゴンの卵を食べられるのか?

…。

…いや、騙されるな。やっぱり俺の方が正常だよ。

こいつらがまとめて全員おかしいんだ。そうに違いない。

「ルルシーは、どう思います?」

と、尋ねるルレイア。

…うん…。言いたいことは色々あるけど…。

とりあえず、一番言いたいことを先に言っておくよ。

「あのな、ルレイア。お前がどんな喫茶店を経営しようが、俺は応援するつもりだけどさ」

「はい」

見た目のインパクトの強さ。そして安定した味。

値段がちょっと高いのが玉に瑕だが…。ルリシヤの言う通り、一定層にはバズるだろう。

でも、それ故に…心からお前にアドバイスする。

お前と、そしてこのメニューを食べることになるお客さんの為にも。

「今日出したメニュー、全部…。原材料を一切明記するな。それさえ守れば、きっと売れるよ」

…要するに。

世の中、大抵のことは…知らぬが仏、ってことだ。
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