The previous night of the world revolution~P.D.~
ルルシーを追いかけて、『青薔薇連合会』本部のエントランスに向かってみると。

そこは既に、ちょっとした修羅場になっていた。

「君じゃない。ルレイア卿を出して」

「断る。お前、性懲りもなく…ルレイアに何の用だ?」

「それは君に話す必要はないよ。君には関係ないから」

「関係ないと思ってるのはお前だけだ。俺はルレイアの相棒なんだから」

「相棒か…。相棒なら、何でも話さないといけないの?どんな隠し事も出来ないのかな」

「当たり前だろ。お前の…表の世界の常識で、俺達を測るな」

…わーお。

良い感じに、場が盛り上がってますね。

ルルシーがめちゃくちゃ怒ってるのは、よく分かる。

一方でブロテの方は、冷静そのものだった。

珍しいですよね。ルルシーの方が冷静さを欠くなんて。

しかも。

「…どうしたの?これは何の騒ぎ?」

騒ぎを聞きつけたシュノさんが参戦。

ルルシーがあまりに敵意丸出しなものだから、シュノさんも警戒態勢だった。

「ルレイア・ティシェリー卿に会わせて。彼に用事があるんだ」

ブロテは、相変わらず冷静にシュノさんに言った。

俺の名前が出るなり、シュノさんは目の色が変わった。

さっきまでの警戒態勢に、今度は殺気までもが加わった。

更にカオスなことになりそうだ。

「…何でルレイアなの?ルレイアに何の用?」

「君には関係ないよ。君達と来たら、関係ないのに首を突っ込みたがる人ばかりだね」

「関係なくなんてない。私達は仲間。家族だもの。家族を守るのは当然の義務だわ」

家族。

シュノさんにとっては、非常に重要な意味を持つ言葉だ。

家族を守る、助ける為なら…シュノさんは何処までも強くなる。

ブロテを「家族の敵」と認識したらしい彼女は、躊躇わずに拳銃に手を伸ばした。

いつでも発砲出来る、とばかりに。

そして、それは脅しではない。

家族を守る為なら、シュノさんは躊躇わない。

それはルルシーも同じだ。

ルルシーもシュノさんも、二人して凄まじい殺気を放っていた。

これが一般人なら、二人の殺気だけで失神しているだろうが。

「…」

さすがは帝国自警団のリーダー。

ブロテは眉一つ動かさず、じっとルルシーとシュノさんを睨み返していた。

意外と気の強い女だ。

…で、そこまでムキになって…この女は俺に何の用なんだ?
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