The previous night of the world revolution~P.D.~
「帝国自警団による『保護』…。期限は原則一週間だったな。申請すればもう少し期限を伸ばせるそうだが」

ルリシヤも、帝国自警団の「保護制度」を知っていたらしい。

そして、ルリシヤが知っているということは、勿論。

「最長で一ヶ月ですね。それ以上の延長は出来ません」

ルーチェスも、当然のように知っている。

俺も知っていたかったよ。もっと早くに。

帝国自警団に、そんな権限があるなんて…。

知ってたからって…あの状況で、俺に何かが出来たとは思えないが…。

「…おめーら、何悠長言ってんだよ?」

アリューシャが、怒りを滲ませた声をあげた。

アリューシャが会議中に起きているとは、珍しい。

それだけ、アリューシャも事の重大性を理解しているということだ。

「連れてかれたんだろ?助けに行かないでどーすんだよ!その…帝国じけーだんとかいうところに乗り込んで、助けに行こうぜ!」

…俺もそうしたい。

そう出来たら、どんなに良かったか。

「それは浅慮だ、アリューシャ先輩。逮捕されたのならともかく、保護されただけなら迂闊に手を出さない方が良い」

「あぁ…?」

「現状ルレイア先輩は、最長一ヶ月の期限が終了すれば、何事もなく帰ってくる可能性が高い。無論、期限が切れたと同時に、逮捕に切り替わる可能性もあるが」

「…??」

ルリシヤが何を言いたいのか、よく分かっていないアリューシャである。

俺も分からずにいたかったよ。こんなことは。
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