The previous night of the world revolution~P.D.~
第一部~Ⅸ~
――――――…その頃、帝国自警団では。
「…むっ!」
俺のもとに、ビビッ、と何かが届いた。
今…今、ルルシーから愛の言葉を囁かれた気がする。
俺もあなたのこと、ずっと思ってますよ。ルルシー。
「?どうした?」
「…いえ」
嬉しいのだけど、素直に喜べる状況じゃないんですよね。
手錠こそ嵌められていないものの。
俺の左右に、ぴったりと帝国自警団の団員がくっついている。
これでも一応、連行の名目は「保護」なんですよね。
これの何が保護なのか…。拉致じゃないですか。ねぇ?
「で?俺はここで何をすれば良いんですか?」
捕虜でも容疑者でもないんだから、尋問に応じるつもりはないぞ。
とはいえ、あまり反抗的な態度を取ると、逮捕令状出されかねないしな。
よし。ここは俺の紳士的振る舞いを持って応じよう。
…と、思ったのだが。
「貴殿の処遇は、ブロテ団長が決めます」
左にいた男性団員は、静かにそう言った。
ほう…?
あの乳臭い小娘が?それは楽しみだ。
一体何が飛び出してくるやら。わくわくしますね。
「用事を済ませてから、貴殿のもとに来るそうです。それまでは、部屋を用意してあるので、そこでお過ごしください」
「ふーん…」
その部屋って、鉄格子とかついてませんよね?
まぁ、鉄格子がついていたところで、別に構わないけど…。
しかし、その心配は無用だった。
「ここです」
俺の為に用意したという部屋は、鉄格子で囲われてはいなかった。
扉に鍵はかかっているけど、窓もあったし、カーペットは敷いてあるし、ベッドもテレビも置いてあった。
何なら、紅茶のティーバッグとポットも置いてあった。
ちょっとしたホテルみたいな部屋だ。
「ここでお待ち下さい。必要なものがあれば申し付けて下さい」
「そうですか」
意外と悪くない待遇だ。
…しかし。
「それから、申し訳ないのですが…スマートフォン他、外部と通じる通信機器は全て預からせてもらいます」
…ですよねー。
そこは囚人と同じだ。
まぁ、外部に…ルルシー達と連絡を取り合われたんじゃ、「保護」してる意味がないもんな。
隠し持っていても良いのだが…。
いずれにしても、間違いなく監視カメラがついているであろうこの部屋で、ルルシー達と連絡を取ることは出来なかった。
下手なリスクは犯さない方が良いだろう。今は。
ほら、俺さっき、紳士的振る舞いをするって誓いましたし。
いつも紳士ですけどね、俺は。
「分かりました。ちゃんと後で返してくださいね」
「勿論です。預かるだけですから、必ずお返しします」
…それは良いんだけど。
「スマホの中身とか、検閲するんですか?」
黙ってやられるのが嫌だったから、こちらから聞いてやった。
俺のスマホを没収した団員は、驚いたようにこちらを見た。
「いえ、そのような指示は出ていません。これは預からせて頂くだけなので、中身を検めるようなことは…」
「あー、はいはい。ふーん」
まぁ、そういうことにしておきますよ。
別に中身を見られたところで、ルルシーとのイチャイチャメールを見られるだけだ。
痛手でも何でもない。好きにしてくれれば良い。
さて、それじゃ。
俺は大人しく、囚人生活をエンジョイするとしましょうか。
「…むっ!」
俺のもとに、ビビッ、と何かが届いた。
今…今、ルルシーから愛の言葉を囁かれた気がする。
俺もあなたのこと、ずっと思ってますよ。ルルシー。
「?どうした?」
「…いえ」
嬉しいのだけど、素直に喜べる状況じゃないんですよね。
手錠こそ嵌められていないものの。
俺の左右に、ぴったりと帝国自警団の団員がくっついている。
これでも一応、連行の名目は「保護」なんですよね。
これの何が保護なのか…。拉致じゃないですか。ねぇ?
「で?俺はここで何をすれば良いんですか?」
捕虜でも容疑者でもないんだから、尋問に応じるつもりはないぞ。
とはいえ、あまり反抗的な態度を取ると、逮捕令状出されかねないしな。
よし。ここは俺の紳士的振る舞いを持って応じよう。
…と、思ったのだが。
「貴殿の処遇は、ブロテ団長が決めます」
左にいた男性団員は、静かにそう言った。
ほう…?
あの乳臭い小娘が?それは楽しみだ。
一体何が飛び出してくるやら。わくわくしますね。
「用事を済ませてから、貴殿のもとに来るそうです。それまでは、部屋を用意してあるので、そこでお過ごしください」
「ふーん…」
その部屋って、鉄格子とかついてませんよね?
まぁ、鉄格子がついていたところで、別に構わないけど…。
しかし、その心配は無用だった。
「ここです」
俺の為に用意したという部屋は、鉄格子で囲われてはいなかった。
扉に鍵はかかっているけど、窓もあったし、カーペットは敷いてあるし、ベッドもテレビも置いてあった。
何なら、紅茶のティーバッグとポットも置いてあった。
ちょっとしたホテルみたいな部屋だ。
「ここでお待ち下さい。必要なものがあれば申し付けて下さい」
「そうですか」
意外と悪くない待遇だ。
…しかし。
「それから、申し訳ないのですが…スマートフォン他、外部と通じる通信機器は全て預からせてもらいます」
…ですよねー。
そこは囚人と同じだ。
まぁ、外部に…ルルシー達と連絡を取り合われたんじゃ、「保護」してる意味がないもんな。
隠し持っていても良いのだが…。
いずれにしても、間違いなく監視カメラがついているであろうこの部屋で、ルルシー達と連絡を取ることは出来なかった。
下手なリスクは犯さない方が良いだろう。今は。
ほら、俺さっき、紳士的振る舞いをするって誓いましたし。
いつも紳士ですけどね、俺は。
「分かりました。ちゃんと後で返してくださいね」
「勿論です。預かるだけですから、必ずお返しします」
…それは良いんだけど。
「スマホの中身とか、検閲するんですか?」
黙ってやられるのが嫌だったから、こちらから聞いてやった。
俺のスマホを没収した団員は、驚いたようにこちらを見た。
「いえ、そのような指示は出ていません。これは預からせて頂くだけなので、中身を検めるようなことは…」
「あー、はいはい。ふーん」
まぁ、そういうことにしておきますよ。
別に中身を見られたところで、ルルシーとのイチャイチャメールを見られるだけだ。
痛手でも何でもない。好きにしてくれれば良い。
さて、それじゃ。
俺は大人しく、囚人生活をエンジョイするとしましょうか。