The previous night of the world revolution~P.D.~
「『青薔薇連合会』に所属している人間は、俺に限らず皆そうですよ」
誰も、生まれたときからマフィアだった訳じゃない。
皆何かしら、やむにやまれぬ事情があって…その結果、裏の世界に足を踏み入れることになった。
叶うことなら、明るい…日の当たる世界で、幸せに生きたかったと望みながら。
この俺だって、かつては…。
…まぁ、あまり思い出したくはないのだが。
しかしブロテは、俺を嘲笑うかのように。
俺が思い出したくない頃の話を続けた。
「…元貴族だったんだってね」
「…」
「それも、上級貴族…ウィスタリア家の次男」
…懐かしい名前ですね。
「君のお姉さんは、帝国騎士団の副団長なんだよね。お兄さんも帝国騎士団に入ってるって…」
「…」
「幼い頃から、帝国騎士団に入る為の英才教育を受け…。非常に優秀な成績で帝国騎士官学校に入学、その後主席で卒業したと聞いたよ」
…よく調べててて偉いでちゅねー。
はいはい。そうですよ、その通りですよ。
その頃と言ったら、丁度俺が一番思い出したくない記憶だ。
吐き気がする。
優秀な成績で入学?主席で卒業?
そんな下らない栄光が何だって言うんだ。
クソほどの役にも立たない。
「それから、異例の速さで帝国騎士団四番隊隊長に抜擢されたそうだね」
「…そんなこともありましたね」
もう遠い昔の出来事だ。
思い出したくもない過去の記憶。
「驚いたよ。君は典型的な、優秀なルティス帝国貴族だった。生粋の貴族。それなのに、何故今は『青薔薇連合会』にいるのか…」
「…」
「私はその理由が知りたかった。そして…辿り着いたんだ」
もうそこまで分かってるなら、さっさと言えば良いものを。
俺の人生、俺の運命、俺の世界を180度変えた、あの忌々しい出来事を。
「…ローゼリア元女王暗殺未遂事件。それがきっかけなんだよね?」
「…よくご存知で」
帝国騎士官学校時代のこと。帝国騎士団四番隊隊長だった時代のこと。
思い出したくないことはたくさんあるが。
その事件については…思い出したくないことの筆頭だ。
誰も、生まれたときからマフィアだった訳じゃない。
皆何かしら、やむにやまれぬ事情があって…その結果、裏の世界に足を踏み入れることになった。
叶うことなら、明るい…日の当たる世界で、幸せに生きたかったと望みながら。
この俺だって、かつては…。
…まぁ、あまり思い出したくはないのだが。
しかしブロテは、俺を嘲笑うかのように。
俺が思い出したくない頃の話を続けた。
「…元貴族だったんだってね」
「…」
「それも、上級貴族…ウィスタリア家の次男」
…懐かしい名前ですね。
「君のお姉さんは、帝国騎士団の副団長なんだよね。お兄さんも帝国騎士団に入ってるって…」
「…」
「幼い頃から、帝国騎士団に入る為の英才教育を受け…。非常に優秀な成績で帝国騎士官学校に入学、その後主席で卒業したと聞いたよ」
…よく調べててて偉いでちゅねー。
はいはい。そうですよ、その通りですよ。
その頃と言ったら、丁度俺が一番思い出したくない記憶だ。
吐き気がする。
優秀な成績で入学?主席で卒業?
そんな下らない栄光が何だって言うんだ。
クソほどの役にも立たない。
「それから、異例の速さで帝国騎士団四番隊隊長に抜擢されたそうだね」
「…そんなこともありましたね」
もう遠い昔の出来事だ。
思い出したくもない過去の記憶。
「驚いたよ。君は典型的な、優秀なルティス帝国貴族だった。生粋の貴族。それなのに、何故今は『青薔薇連合会』にいるのか…」
「…」
「私はその理由が知りたかった。そして…辿り着いたんだ」
もうそこまで分かってるなら、さっさと言えば良いものを。
俺の人生、俺の運命、俺の世界を180度変えた、あの忌々しい出来事を。
「…ローゼリア元女王暗殺未遂事件。それがきっかけなんだよね?」
「…よくご存知で」
帝国騎士官学校時代のこと。帝国騎士団四番隊隊長だった時代のこと。
思い出したくないことはたくさんあるが。
その事件については…思い出したくないことの筆頭だ。