The previous night of the world revolution~P.D.~
前回までのあらすじⅡ



『青薔薇連合会』と帝国騎士団の、一連の騒動が落ち着き。

比較的平穏な日々が続いていたルティス帝国。

私立ランドエルス騎士官学校に通うルナニア・ファーシュバルは、多くの友人達に囲まれ、日々穏やかに過ごしていた。

しかし一方で、ルティス帝国には脅威が迫っていた。

ルティス帝国の隣国、箱庭帝国のマフィア、『シュレディンガーの猫』である。

祖国を追放された『シュレディンガーの猫』は、ルティス帝国に侵入し、数々の狼藉を働いた。

そのことに頭を痛めた帝国騎士団は、『青薔薇連合会』に協力を求め、『シュレディンガーの猫』の討伐を計る。

『青薔薇連合会』と帝国騎士団との会合の席には、ルナニア・ファーシュバルの姿があった。

ルナニアの本名はルレイア・ティシェリー。

ルレイアは、ランドエルス騎士官学校に潜んでいるという『シュレディンガーの猫』のスパイを探る為に、姿と名前を変え、学生の仮面を被り、ランドエルスに入学していたのである。

その後ルレイアは、ランドエルスに潜んでいた『シュレディンガーの猫』のスパイ、カセイ・リーシュエンタールを探り当てる。

彼はカセイに交渉を持ちかけ、『シュレディンガーの猫』の総帥、Xに会いに行く。

その際ルレイアは、『青薔薇連合会』は帝国騎士団を裏切り、『シュレディンガーの猫』に協力することと。

『シュレディンガーの猫』と協力して、帝国騎士団を討ち滅ぼすことを、Xに提案する。

Xはこれを受け、『青薔薇連合会』は帝国騎士団を裏切り、『シュレディンガーの猫』と同盟を結んだ。

しかしこの同盟は、ルレイアが仕組んだ仮初めの同盟であった。

『青薔薇連合会』は帝国騎士団を裏切ってはおらず、『シュレディンガーの猫』に協力していると見せかけて、後ろから『シュレディンガーの猫』を撃つつもりであった。

ルレイアはこの計画を帝国騎士団に納得させる為、自らの腹心であるルルシー・エンタルーシアを、帝国騎士団に人質として渡した。

帝国騎士団と協力しながら、『シュレディンガーの猫』にも疑いを抱かせずに協力するという、絶妙な均衡を保ち続ける中。

ルレイアはルナニアとしての仮面を被り、周囲を欺く日々を送った。

期が熟し、『シュレディンガーの猫』と共に帝国騎士団を討つ計画の前日。

『青薔薇連合会』は帝国騎士団と共に『シュレディンガーの猫』を襲撃する。

『シュレディンガーの猫』の総帥X、以下ほぼ全ての構成員がその場にて死亡。

ランドエルスに潜んでいたスパイ、カセイ・リーシュエンタールもまた、ルナニアことルレイアに撃たれ、志半ばで潰えた。

こうして『シュレディンガーの猫』を巡る一件は幕を閉じ、ルレイアとルルシーは『青薔薇連合会』に帰還した。


《外伝 あらすじ》



ルヴィア・クランチェスカは、『青薔薇連合会』幹部、ルルシー・エンタルーシア直属の部下であり、また『青薔薇連合会』準幹部であった。

彼はある夜、偶然身寄りのない占い師の若い女性と出会う。

女性の名はフューニャ。ルヴィアは行き場をなくしたフューニャを自分の家に連れて帰り、彼女と同棲を始める。

しばらく同棲生活を続けた後、フューニャはルヴィアに、自分が箱庭帝国からの脱国者であることを告げる。

国籍のないフューニャの為、ルヴィアは上司に頭を下げ、彼女がルティス帝国で生きられるよう、国籍を取得させた。

更にルヴィアはフューニャに求婚を申し出、フューニャはこれを受け、二人は夫婦として同じ姓を名乗ることになった。

事あるごとにフューニャに尻に敷かれ、妻に頭の上がらないルヴィアであるが、二人は深く愛し合い、新婚らしい幸せな日々を過ごしていた。




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