The previous night of the world revolution~P.D.~
箱庭帝国に連絡する前、先にシェルドニア王国のアシミム女王に連絡を取ろうと思ったのだが。

アシミム女王は多忙であるからと、側近らしき人物に断られてしまった。

帝国自警団の団長と言えど、ろくなアポイントメントもなしで、他国の国王に電話をかけるのは無謀だった。

その点箱庭帝国にも同じことが言えるのだが。

箱庭帝国の代表は、親切にも時間の都合をつけて、こうして電話に応じてくれた。

箱庭帝国は、『青薔薇連合会』…そしてルレイア卿に従僕させられ。

多額の献金を強制され、ルレイア卿の支配に苦しんでいるはず。

だからこそ、ルレイア卿が『青薔薇連合会』から足を洗えば、箱庭帝国はようやくルレイア卿の呪縛から解放される。

そうだというのに、ルアリス卿は全く、聞く耳も持ってくれなかった。

他の人物のように、私を鼻で笑うことはなかった。

しかし、考える余地もなく断られたのは事実だ。

それだけルレイア卿のことを恐れているのか…と思ったが。

『あの方を説得するのは、無理だと思いますよ。ルレイア殿は、身も心も生粋の『青薔薇連合会』幹部ですから』

「…」

ルレイア卿を恐れている…と言うよりは。

むしろ、良い理解者でもあるかのような口調。

それどころか、生粋の『青薔薇連合会』幹部であるルレイア卿を、誇りに思っているような…。

何故そんな態度になる?ルレイア卿に支配され、苦しんでいるはずなのに…。

そして。

『失礼ですが、俺は勿論…あなたも…ルレイア殿に何を言おうと、届かないと思います』

…ルアリス卿も、ルシェ卿と同じことを言う。

私達の言葉では、ルレイア卿に届かないと…。

彼のことをよく知る二人が、口を揃えて同じことを言うなんて。

つまり、説得なんかしようとしても無駄だから、さっさと諦めろと?

そんな馬鹿な…。
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