The previous night of the world revolution~P.D.~
「あと一週間だよ、ルルシー。それまで辛抱しよう」

と、アイズが言った。

分かってるさ。

でもその一週間が、俺にとっては地獄のように長い時間なのだ。

ルレイアに会えない、あいつの姿を見られない一分一秒が地獄だ。

それに、俺の心配はそれだけじゃない。

「本当に、あと一週間で解放されるのか?」

「保護」の期限は、最大で一ヶ月。

だから一ヶ月が過ぎれば、「保護」の期間は終わるはずだ。

でも、「保護」が終わると同時に、また別の名目で拘束されるのではないか?

今度は何だ?「観察」とか?「任意同行」とか?

いい加減にしろよ。

帝国自警団の制度なんて、俺には知る由もないし、知りたくもないが。

色々な難しい理屈を組み合わせて、ルレイアを拘束する期間を延長することくらい…自警団の奴らにとっては簡単だろう。

何だかんだと理由をつけられ、結局ルレイアは帰ってこられないんじゃないか。

そう思うと、俺は心配で眠れない。

いっそ全てのしがらみを取り去って、強引にルレイアを連れ戻して、そのまま海外に逃亡してやろうかという気になってくる。

俺がそんな「ルレイア脳」になっているんだから。

今の俺の精神状態がどれほど追い詰められているか、分かるというものだろう。

「その可能性は、有り得なくもない…とは思うけど」

案の定、アイズは俺の懸念を否定しなかった。
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