The previous night of the world revolution~P.D.~
「どうした。何か気になるのか?」

「あぁ。俺の仮面の勘がそう言ってる」

そりゃ大変だ。

何処に根拠があるのか知らないが、ルリシヤの仮面の勘は当たる。

今のところ百発百中では?アリューシャかよ。

「本当に怪しい兵器…とやらが存在するのか?」

「存在しないで欲しいがな。『光の灯台』を見ているから、余計そう思うのかもしれない」

あぁ…そうか。ルリシヤはそうだよな。

「怪しい兵器…。どんな兵器なんだろうな…」

怪しい、という言葉の定義が曖昧だよな。

ルレイアの持っている死神の鎌だって、傍目から見たら相当怪しいと思うぞ。

ルリシヤのカラーボールシリーズだって、一見するとめちゃくちゃ怪しいしな。

「さて。しかし『光の灯台』という、怪しさ百点満点の兵器を目にした身としては…。他にも怪しい兵器が存在しても驚くには値しないな」

そうだろうな。

「シェルドニア王国に存在する兵器が、ルティス帝国で造れない…なんてことはないだろう。技術力も資金力も、ルティス帝国とシェルドニア王国はほぼ同等だからな」

「…それは…」

「『光の灯台』だって、まともな技術者とまともな環境があれば、再現するのは夢ではなかったぞ」

『光の灯台』の研究に、実際に関わったルリシヤがこう言うのだ。

言葉の信憑性が段違いだ。

あまり不安を煽られると…何だか気分が落ち込むのだが…。

「じゃあお前は、『霧塵会』が『光の灯台』や…それに匹敵する謎の兵器を所有してるんじゃないかって、そう思ってるのか?」

もしそうなら、悪夢だな。

しかし。

「そこまで考えている訳じゃないさ」

と、ルリシヤは言った。
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