The previous night of the world revolution~P.D.~
「ただ、そうだったら嫌だなと思っているだけだ。有り得ない話じゃないから」

「そうか…」

…単なる噂、考え過ぎであってくれれば良いがな。

ルリシヤの仮面の勘が疼いているなら、非常に不安だ。

一体何が出てくると言うんだ?

こう言っちゃ悪いが、『霧塵会』はそれほど大きな組織ではない。

従って、技術力も資金力も、『帝国の光』に遠く及ばない。

当然『青薔薇連合会』にも、な。

『帝国の光』でさえ出来なかった『光の灯台』の建設が、『霧塵会』に可能だとは思えない。

でも…火のないところに煙は立たない、って言うしな。

「怪しい兵器を所有している恐れがある」という噂が上がってきたということは。

それなりの根拠が…つまり、『霧塵会』が隠している秘密があるってことだろう?

何なんだ?それは…。

…分からない。分からないから、こうして今から確かめに行こうとしているのだ。

立ち入り調査か。帝国自警団かよ。

俺達が自警団にやられたことを、今度は俺達が『霧塵会』に行うのだ。

家探しなんて、本当は本意ではない。

しかし、これも任務だ。

本当に怪しい秘密を抱えているのなら、それなりの処遇を考えなくては。

何を隠しているのやら…。

…全く。

折角がルレイアが戻ってきて、ほっとしたところだったのに…。

次から次へと、面倒なことが起こるものだ。

少しくらい大人しくしててくれないものか。

「…大事に至らなければ良いがな」

頼むから、俺達の杞憂だったということにしてくれ。





…と、願っていたのに。

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