The previous night of the world revolution~P.D.~
「間違いなく…わざと捕まったんでしょうね」

『そうだね。間違いないだろうね』

あの二人が、『霧塵会』ごときに膝を屈するはずがない。

それでも敢えて捕まったのは…何か考えあってのことだろう。

恐らくは、『霧塵会』が隠している新兵器…とやらが関わっている。

成程。これは一大事ですね。

何より、わざと捕まっただけとはいえ、ルルシーが囚われている。

囚われのお姫様を助けに行くのは、王子の務めというものだろう?

『休暇中に悪いんだけどね、ルレイア。二人の救出に参加してもらえないかな?戦力は多いに越したことはない』

「勿論ですよ、当然行きます。むしろ誘ってくれなかったら怒るところでした」

ルルシーを助けに行くメンバーに俺を入れてくれなかったら、アイズ相手とはいえ、さすがの俺も怒りますよ。

ルルシー姫を救出する役に相応しいのは、王子である俺だけですから。

『うん、そう言うだろうと思ったから…声をかけたんだよ』

さすがアイズ。俺のことよく分かってる。

素晴らしい人選ですよ。

「俺の他には…ルーチェスとシュノさんと…」

『私とアリューシャもいるよ。万が一に備えてね』

幹部組オールスター勢揃いじゃないですか。

いやぁ、大盤振る舞いだなぁ。

『青薔薇連合会』に帰ってきて早々、こんな大事に巻き込まれるとは。

タイミング良く帰ってきて良かった。

俺が囚われている間にこんな事件が起こってたら、後で知ったときめちゃくちゃ後悔するところだった。

「分かりました。すぐ向かいます」

『宜しくね』

電話を切るなり、俺は早速、届いたばかりのゴスロリジャケットに袖を通した。

勝負服ですよ。

明日着ようと思ってたけど、非常事態に付き予定変更。

王子ですからね。ちゃんと正装しないと。

助けたとき、俺が格好良い服着てたら、ルルシーも惚れてくれるかもしれないし。

「…今行きますからね、ルルシー」

今度は俺が、あなたを助けに行きますよ。
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