The previous night of the world revolution~P.D.~
…幹部組が揃って、待ち合わせ場所に集合した。

作戦は実にシンプル。

『霧塵会』本部に奇襲を仕掛け、混乱に乗じてルルシーとルリシヤを救出。

かつ、『霧塵会』が隠している新兵器、とやらの現物…あるいは、その兵器に関する資料等を押収する。

以上。

実にシンプルな方法だろう?

分かりやす過ぎて、楽しくなってきましたよ。

ルルシーとルリシヤを捕らえるような愚か者は、俺が全員刈り倒してあげましょう。

「久し振りに、ルレイア師匠と共同任務ですね。しかもプリンセスの救出とは…ますます腕が鳴りますよ」

このような状況だが、ルーチェスも心なしか楽しそう。

ピンチを楽しむ余裕があるとは、さすが俺の弟子。

プリンセスの救出…ロマンチックで素敵ですよね。

「アイズ、首尾はどうするの?作戦とか…」

シュノさんが、司令塔であるアイズに尋ねた。

すると。

「概ねいつも通りだね。私は後方で作戦指揮、シュノは後衛」

「分かったわ。任せて」

こくり、と頷くシュノさん。

シュノさんの実力なら、前衛だろうと後衛だろうと中衛だろうと、何処でも活躍出来ることだろう。

すると。

「へい!アリューシャは?アリューシャ何したら良い!?」

いつもの愛用ライフルを抱えたアリューシャが、アイズに尋ねた。

「アリューシャは狙撃ポイントを移動しながら、援護射撃」

「あいよ!援護射撃一丁!アリューシャに任せな!」

ラーメン屋のノリで了承。

何ならこのラーメン屋さん、前衛の仕事をなくしてしまうほどに狙撃が上手い。

味方にして、これほど頼り甲斐のあるスナイパーはいない。

…さて、それでは。

「一応聞いておきますけど、アイズ」

「何かな?」

「俺とルーチェスはどうしましょう?」

まさか…後方に控えて予備戦力にする、なんて言いませんよね?

するとアイズは、にっこりと微笑んだ。

「君達は何も考えずに、突撃。敵を薙ぎ倒しながら、ルルシーとルリシヤの居場所を探して、助けてきて」

「了解しました」

「ふふ。この脳死プレイ…。いかにもルレイア師匠って感じがして、好きですね」

あまりの脳筋戦法に、怯むことも躊躇することもなく。

楽しそうに微笑んで意気込むくらいなのだから、俺の弟子は有望だ。

いつもなら、俺の隣はルルシーがいるところだが…。

ルーチェスでも不足はない。

今回は師弟コンビで、敵組織のど真ん中に飛び込むとしよう。

ルーチェスの言う通り。腕が鳴る。

「それじゃ行こうか。二人が待ってるよ」

「えぇ、行きましょう」

待っててくださいね、ルルシー。ルリシヤ。

今、俺達が助けに行きますから。


< 273 / 634 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop