The previous night of the world revolution~P.D.~
「帝国自警団か。それはまた懐かしい名前だな」
オルタンスは、あっけらかんとしてそう言った。
同感だが、しかし本人の前でそれを言うか。
「このまま自然消滅するのかと思っていたんだが、そうでもなかったか」
だから、本人の前で言うなよ。
これだから、オルタンスはすぐに敵を作ることになるんだ。
案の定、ブロテは気を悪くしたようで。
「…」
無言で、険しい表情をしていた。
あーあ、怒らせた。どうなっても知らんぞ。
しかも、オルタンスはまだまだ足りぬとばかりに、ド天然に火に油を注ぎまくる。
「アシスファルト帝国に行ってたんじゃなかったのか?帰ってきたのか」
「…そうだよ。私は帰ってきた」
「そうか。それはお帰り」
ただいまと言ってもらえるとでも思ったのか。
案の定、ブロテは眉間にシワを寄せて、オルタンスのふざけた台詞をスルー。
「アシスファルト帝国に留学して、帰ってきてみたら…祖国はこの始末。あまりの変わりように驚いたよ」
「そうか。その間に、帝国自警団も随分変わったな。もっと気の弱そうな女団員が、団長代理を務めていたはずだが」
「マリアーネのことだね」
「そんな名前だったか?」
…全く記憶にないな。
成程、自警団の影が薄くなっていたのは。
元々団長だったこの女が、マリアーネとやらいう団長代理に自警団を任せ、アシスファルト帝国に留学していたからなんだな。
で、そのマリアーネは、団長であるブロテと違って、それほど自己主張の激しいタイプではなかった。
そのせいで、すっかり自警団の活動は下火になっていたのだろう。
しかし今回、団長だったブロテが10年ぶりに帰国。
帰ってきてみると、何もかもが自分の記憶にある帝国自警団とは違っている。
これを危機的状況と見たブロテは、こうして満を持して帝国騎士団に乗り込んできた…と。
そういうことか。
理解してみると、案外つまらないな。
「私がいない間に、帝国騎士団は見る影もなく腐敗してしまったようだ」
…とのこと。
「あろうことか、『青薔薇連合会』などという非合法組織と手を組んでいたとは…」
「…」
「誇り高い帝国騎士じゃなかったの?恥ずかしくないの、そんなことをして」
…そう言われてもな。
俺は別に恥ずかしくも何ともないが、アストラエアやユリギウス辺りは、耳が痛いだろうな。
…だが。
「恥ずかしいとは思わないな。『青薔薇連合会』の手を借りたことを」
オルタンスは、相変わらずあっけらかんとしてそう言った。
…そうだな。それは俺も同感だ。
多分、ルシェやルーシッドも同じ気持ちだろう。
オルタンスは、あっけらかんとしてそう言った。
同感だが、しかし本人の前でそれを言うか。
「このまま自然消滅するのかと思っていたんだが、そうでもなかったか」
だから、本人の前で言うなよ。
これだから、オルタンスはすぐに敵を作ることになるんだ。
案の定、ブロテは気を悪くしたようで。
「…」
無言で、険しい表情をしていた。
あーあ、怒らせた。どうなっても知らんぞ。
しかも、オルタンスはまだまだ足りぬとばかりに、ド天然に火に油を注ぎまくる。
「アシスファルト帝国に行ってたんじゃなかったのか?帰ってきたのか」
「…そうだよ。私は帰ってきた」
「そうか。それはお帰り」
ただいまと言ってもらえるとでも思ったのか。
案の定、ブロテは眉間にシワを寄せて、オルタンスのふざけた台詞をスルー。
「アシスファルト帝国に留学して、帰ってきてみたら…祖国はこの始末。あまりの変わりように驚いたよ」
「そうか。その間に、帝国自警団も随分変わったな。もっと気の弱そうな女団員が、団長代理を務めていたはずだが」
「マリアーネのことだね」
「そんな名前だったか?」
…全く記憶にないな。
成程、自警団の影が薄くなっていたのは。
元々団長だったこの女が、マリアーネとやらいう団長代理に自警団を任せ、アシスファルト帝国に留学していたからなんだな。
で、そのマリアーネは、団長であるブロテと違って、それほど自己主張の激しいタイプではなかった。
そのせいで、すっかり自警団の活動は下火になっていたのだろう。
しかし今回、団長だったブロテが10年ぶりに帰国。
帰ってきてみると、何もかもが自分の記憶にある帝国自警団とは違っている。
これを危機的状況と見たブロテは、こうして満を持して帝国騎士団に乗り込んできた…と。
そういうことか。
理解してみると、案外つまらないな。
「私がいない間に、帝国騎士団は見る影もなく腐敗してしまったようだ」
…とのこと。
「あろうことか、『青薔薇連合会』などという非合法組織と手を組んでいたとは…」
「…」
「誇り高い帝国騎士じゃなかったの?恥ずかしくないの、そんなことをして」
…そう言われてもな。
俺は別に恥ずかしくも何ともないが、アストラエアやユリギウス辺りは、耳が痛いだろうな。
…だが。
「恥ずかしいとは思わないな。『青薔薇連合会』の手を借りたことを」
オルタンスは、相変わらずあっけらかんとしてそう言った。
…そうだな。それは俺も同感だ。
多分、ルシェやルーシッドも同じ気持ちだろう。