The previous night of the world revolution~P.D.~
…冷静に考えてみると。

俺、何やってるんだろうな?

絶対こんなところでこんなことやってて良いはずがないんだけど…。

ルレイアに上手いこと乗せられてしまったが故に、こんな目に…。

しかし、そんな俺の心境をよそに。

「お帰りなさいませ、ご主人様」

「お帰りなさいませ」

イケメン揃いの執事の皆さんが、美しくお辞儀をして俺達を迎えてくれた。

…本当俺、何やってんだろうな?

あぁ、もう何も考えまい。

考えたら負けだ。

「お帰りなさいませ、お嬢様」

シュノ相手には、ご主人様ではなく、お嬢様と呼んでいた。

芸が細かい。

「折角ですから、テーブル分かれて座りましょうか。俺はルルシーと座るとして…」

「じゃあ、私はアリューシャと一緒に向こうに座ってるね」

「私はどうしよう?」

「シュノ先輩、良ければ俺と同じテーブルに来ないか?」

「うん、良いよ」

ルレイア、アイズ、シュノ、ルリシヤの順で言った。

俺はルレイアと、アイズはアリューシャと、ルリシヤはシュノと同じテーブルに着くらしい。

で、余るのは…。

「ルーチェスはどうする?」

「…僕は是非とも一人で、執事喫茶を堪能させてもらえますか」

目が真剣だった。

そうか。今のお前に何を言っても無駄だな。

「オプションなんですけど、この店ではお気に入りの執事に給仕してもらえるサービスがあるんですよ。ルルシー、希望はあります?」

ルレイアは、店にいる執事の顔写真と名前が載った一覧表を見せてくれた。

何だよ希望って。ねーよ。

「俺は誰でも良いよ…」

誰でも一緒だろ?皆イケメンの執事だよ。

「アイズとアリューシャはどうします?」

「私も誰でも良いなぁ。アリューシャ、誰が良い?」

「そうだなー。じゃあ目ぇ瞑って…これ!」

アリューシャは目を瞑って、適当に指差した写真の執事を選んだ。

そんな適当な選び方で良いのかよ。

「じゃあアイズとアリューシャテーブルにはこの執事を…。ルリシヤとシュノさんは?」

「どうする?シュノ先輩」

「うーん、そうだな…。じゃ、この人が良い」

と、シュノは顔写真を指差した。

「何でその人?」

「ちょっとルレイアに似てるかなぁと思って。優しそうだし」

あ、そう…。

ルレイアに似て…相手を騙しそうな顔だよ。

「ルルシー、今俺に失礼なこと考えてません?」

「気のせいだろ」

「ルーチェスは誰を選びます?」

「…捨て難い…。どなたも捨て難い…!」

すげー真剣に選んでんだけど。ルーチェスの奴。

血眼になってるぞ。

お前な。夢中になるのは良いけど…そんな真剣に男を選んでたら、嫁が泣くぞ?

「ちなみにですが、執事にはそれぞれ属性があるので…属性別に選んでも良いかもしれませんよ」

「…属性…?」

そんなお前…RPGのモンスターみたいな…。

必要か?それ…。
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