The previous night of the world revolution~P.D.~
まず、アイズとアリューシャのテーブル。

「アイズ君とアリューシャは何にする?」

あの二人のテーブルを担当しているのは、茶髪でピアスをつけ、ちょっとチャラい印象のお茶目系執事。

どうやら敬語も使っていないし、アリューシャのことも呼び捨てにしているようだ。

いや、アリューシャが呼び捨てなのは、「アリューシャはアリューシャだぜ」とか言ってたからだと思うが。

つーか、アイズも呼び方はお任せにしてたじゃん。あいつは君付けで、俺は何故姫?

不公平だ。

「私はこの紅茶…ストレートで。アリューシャは…」

「このキラッキラした奴飲みてぇ!」

アリューシャはメニュー表の写真を指差して、そんな雑な注文をした。

しかしお茶目系執事は、嫌な顔一つせずに頷いた。

「あぁ、トロピカルソーダだね。分かったよ。他には何かある?」

「そうだね…。このうさたんパンケーキと、アリューシャの好きなポテトチップスの盛り合わせを一皿もらおうかな」

「了解!ちょっと待っててね」

お茶目系執事は、茶目っ気たっぷりに敬礼して見せた。

成程。ああいうキャラで売ってるんだろうな。

大変そうだな。

他のテーブルの執事も、それぞれああいう個性があるんだろうか?

「ルリシヤ先輩、シュノちゃん。何注文するか決まったかな?」

爽やかクール系執事(ちょっとルレイアに似てる?)が、ルリシヤとシュノに尋ねていた。

めちゃくちゃクールだ。俺にはとても真似出来ない。

俺は男だから何とも思わんが、女子だったら、ああいうクールな男性はモテるんだろうな。

ザ・王道って感じするもん。

その証拠に、シュノはちょっと嬉しそうだった。

何ならルリシヤもまんざらではなさそうだった。何でお前までハマってんだよ。

「折角の執事喫茶だからな。俺はこの、くまたんビーフカレーを注文しよう」

「分かった。ドリンクはどうしようか?」

「執事のオリジナルカクテルを」

「うん、任せて」

オリジナルカクテルって。そんなのあるのか?

つーか、くまたんカレーって…。お前という奴は、少しくらい恥ずかしいと思う気持ちはないのか。

ライスがくまの形してるってだけで、多分ただのレトルトカレーだぞ。

まぁ、それを言うなら俺のハーブティーも、ただの業務用ティーバッグなんだろうけど…。
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