The previous night of the world revolution~P.D.~
「シュノちゃんは?もう決まった?」

「え、えっとね…。私はこの、ねこちゃんハンバーグにする」

ハンバーグが猫の形をしているだけのメニューである。

「飲み物はキャラメルラテにするね」

「キャラメルラテだね。分かった、少し待っててね」

…イケメンだな。

立ち居振る舞いがもう…非常にイケメン。

俺にはとても真似出来ない。

真似出来たとしても、俺の顔じゃ執事なんて無理だけどな。

精々、厨房に引っ込んで皿洗いをするくらいしか仕事がなさそうだ。

で、残るルーチェスのテーブルでは…。

「オムライス、オムライスをお願いします!絵を描いてくださいね。僕の似顔絵をお願いします」

ルーチェスは、めちゃくちゃ食い気味にそう言っていた。

オムライスか…。メイドカフェでは非常に定番なメニューだが、執事喫茶にもあるのか。

更にルーチェスは、ケチャップで自分の似顔絵を描くことを希望している。

我儘過ぎるだろ。

しかし、ルーチェスのテーブルにいるイケオジ系執事は、嫌な顔一つせず頷いていた。

やべぇ。渋格好良い。

「飲み物はこれ、ラテアートカプチーノにします。ここは定番を攻めたいんで、『萌』って描いてくださいね!」

興奮し過ぎだろ、お前。

メイドカフェで「萌」の字は定番だと思うが、執事喫茶ではどうなんだ…?

しかし、やはり嫌な顔一つしないイケオジ執事。偉い。

「あとデザートに、ふわふわ♡いちごケーキを注文します」

注文多くね?

現状、誰よりも執事喫茶を楽しんでいるルーチェスである。

まさかあいつに嫁がいるとは、誰も思ってないだろうな。

嫁に怒られてしまえよ。
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