The previous night of the world revolution～P.D.～

「『M.T.S社』のリーダーは？何処にいるの？そこに新兵器もあるの？」

と、アイズに畳み掛けるシュノさん。

新兵器の所在は、俺も気になるところだな。

恐らく、逃げたリーダーと幹部達が隠し持っているのだろうし…。

「新兵器の所在までは分からない。けど、彼らが隠し持っている可能性は高いね」

「連中にとっても虎の子だろうからな。状況が悪いからこそ、余計手放せないだろう」

アイズとルリシヤが言った。

『青薔薇連合会』に目をつけられ、追われている『M.T.S社』にとって。

例の新兵器とやらは、状況を覆す可能性を持つ…奴らにとっては、ルリシヤの言う通り虎の子。切り札と言っても良い。

そんな切り札を、みすみす自分達の手元から手放すことはあるまい。

恐らく『M.T.S社』のリーダー連中が隠れている場所に、一緒に保管しているはずだ。

…恐らく、だけどな。

自分達の常識で、他人の常識を図ることは出来ない。

「〜であるはずだ」と思い込んでいると、いつか痛い目を見ることになる。

人生の教訓ですよ、これ。

「じゃあ、そこを奇襲しましょう。逃したリーダーと幹部達を今度こそ捕らえて、そして新兵器も回収するのよ。私も行くわ」

自ら奇襲部隊に立候補するシュノさん。

シュノさんが来てくれたら、非常に心強い…のは確かだが。

果たして、そんなに簡単に行くかな？

「そうだね、シュノ。そう出来たら良いんだけど…」

「…出来ないの？無理なの？」

「ちょっと、落ち着いて冷静に考えた方が良いと思ってね」

「…？」

話が見えないらしく、シュノさんは首を傾げていた。

アイズも何やら含みのある言い方をするから、余計話が見えないのだろう。

「落ち着いて…って、どういうこと？ぼやぼやしてる間に、また逃げられるかもしれないでしょ。今すぐ行くべきよ」

あいつら、逃げ足だけは一丁前でしたからね。

『青薔薇連合会』に自分達の居場所が割れたことを知ったら、またしても脱兎の如く逃げていくだろう。

…しかし。

「奴らの潜伏先は何処です？」

俺は単刀直入に、アイズにそう尋ねた。

アイズがここまで歯切れの悪い返事をするってことは。

きっと、奴らの隠れ場所に一癖も二癖もあるのだろう。