The previous night of the world revolution~P.D.~
…すると、案の定。

「…そうだね。私もさっき聞いたとき、驚いたよ。本当なのか耳を疑った」

ほう。

アイズが耳を疑うレベルとは、それは相当「面白い」場所に隠れているらしいな。

何処だろう?メイドカフェとか?

それとも…もっと凶暴な、鬼が出る場所だろうか?

「何処に隠れてるんだ、あいつら…。外国か?」

ルルシーがアイズに尋ねた。

外国か。それは確かに、にわかに手出しするのは難しいですね。

しかし。

「いや、国内だよ」

「国内…なら、俺達が手を出せない場所はほとんどないだろ」

『青薔薇連合会』は、ルティス帝国最大のマフィア。 

国内各地に影響力を持つ俺達が、手を出せない場所などほとんどない。

…はずなのだが。

ほとんどないというだけで、全くない訳ではないことを、忘れてはいけない。

そして今回、姑息にも『M.T.S社』の残党が隠れているのは…。

俺達が手を出すことが出来ない、数少ない組織の一つ。

「帝国自警団だよ」

…と、アイズは難しい顔をして言った。

…成程。

それはまた…随分と「面白い」場所に隠れてるようですね。

うきうきさせてくれる連中じゃないか。

「帝国自警団だと…!?」

「何でそんなところに…?」

これには、ルルシーやシュノさんもびっくり。

ルリシヤは相変わらず淡々としていたし、ルーチェスも特に大きな反応はなかった。

多分ルーチェスは、まだ執事喫茶の余韻に浸っているのだと思われる。

アリューシャはと言うと、話についていけてないらしく首を傾げていたが。

しかし、帝国自警団という名前には聞き覚えがあったらしく。

「帝国じけーだんって、ルレ公攫ったとこじゃね?」

と、聞いてきた。

アリューシャの中で帝国自警団って、そういう認識なんですか。

間違ってはいないけど。

「そう、それだよ」

「マジか!そんなとこに隠れてんの?ようし、それなら話は早い。ルレ公の恨みもまとめて、アリューシャが連中をぶち抜いてやるわ」

非常に頼もしいお言葉。

アリューシャに任せておけば、本当にそれで解決しそう。

…しかし、今回は…と言うか。

今回も、問題はそれほど単純ではない。
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