The previous night of the world revolution~P.D.~
「それにほら、妻が入院したら、夫が献身的に世話をするのは当然でしょう?」

真面目な顔をして、お前は何を言ってるんだ?

「俺はお前の妻になった覚えはない」

「はいはい、分かりました。そういう訳ですから、ほらあーん」

何が分かったんだ?何も分かってないじゃん。

それどころか、何故か俺が我儘を言ってるみたいな扱い。

冗談じゃない。自分で食べるわ。

やっぱりこいつ追い返してもらって、毎日日中一時間くらいお見舞いに来てもらうだけで良い、って言ってやろうか。

こんな毎日ベタベタされたんじゃ、鬱陶しいことこの上ない。

俺がまともに動けないのを良いことに、ここぞとばかりに好き放題しやがって。

…とはいえ、ルレイアもこれで責任を感じているのだ。

その態度や表情や仕草から、ひしひしと伝わってくる。

あれだけルレイアのせいじゃないって言ったのに、こいつ、俺が怪我をしたのは自分のせいだと思ってやがる。

背負わなくて良いものを、勝手に背負いやがって。馬鹿だな。

自分のせいで怪我をさせたから、自分が世話を焼き、面倒を見、看護してやらなきゃいけないと思ってるんだろう。

全く困った奴だよ。

…と、思っていたそのとき。

突然、病室の引き戸がガラッ、と勢い良く開き。

「へーいルル公!入院生活満喫してっか!?」

「やぁルルシー、ルレイア。来たよ」

「お、お邪魔しますっ…」

賑やかな俺の同僚達が、病室に現れた。
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