The previous night of the world revolution~P.D.~
突然の破廉恥な質問にも、ルリシヤは動じなかった。

「愛人ではないな。残念ながら」

残念なのか?

「なーんだ…。残念だなぁ」

残念なのか。

何がどう転んだら、ルリシヤがルーチェスの愛人ってことになるんだよ。

意味不明だよ。

普通は嫌じゃないのか?男だろうと女だろうと、自分の夫に自分の知らない愛人がいるなんて…。

「ルーチェス君にこんな素敵な愛人がいたら、私も妻として鼻が高かったんだけどな」

むしろステータスの一種であるらしい。

心が広いとか、もうそういう次元じゃない。

「でも、そうだね。ルーチェス君のえっちな本はたくさん読んでるけど、これまで仮面フェチのえっちな本はなかったもんねー」

もう何度目か分からないけど、また噴き出し(ry。

うら若い女性が、「えっちな本」とか言うんじゃない。

男の前で。

「確かに、仮面フェチの性癖はまだないですね」

ルーチェスも何言ってるんだよ。

まだ、って何だよ。まだって。

いつか取得するつもりなのか?

「仮面属性は良いぞ。おすすめだ」

ルリシヤもルリシヤで何言ってんだ。

「試しに仮面をつけてプレイしてみたらどうです?何でもやってみないと分かりませんからね。何かに目覚めるかもしれませんよ」

ルレイアまで何を言っ(ry。

いい加減にしろよ、この煩悩三人組。

いや、ルーチェス嫁を入れて四人組か?

すると、今度は何を思ったか。

「そっか、ルーチェス君の愛人じゃないのか…。じゃあ、ワンチャン私の愛人になってもらおうかな?なーんて!」

ルーチェス嫁は、無邪気な笑顔でそう言った。

仮にも夫の前で、違う男と愛人になろうかなんて。

本当に何言ってんだろう。この人達。

俺の常識では計り知れなくて、とてもじゃないがついていけない。

しかも、あろうことかルーチェスは。

自分の嫁の質の悪い冗談に、苦言を呈する…のかと思いきや。
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