The previous night of the world revolution~P.D.~
第二部~Ⅰ~
―――――――…ルルシーの脚の怪我が無事に癒え。
俺はその日、ルルシーと共に病院を出た。
「やれやれ…。ようやく自由に動けるよ」
と、心底ホッとしたようなルルシーであった。
「俺は楽しかったですよ。ルルシーと四六時中一緒に過ごせて」
「そうかい」
色々と「お世話」もさせてもらったしな。
まぁ、大半はルルシーが拒否したので、あんまりやらせてはもらえなかったけど。
でも…こんなときでも、ルルシーと一緒にいられて楽しかった。
さて。
「アシュトーリアさんは、すぐに自宅に帰って良いと言ってましたけど…。どうします?」
「勿論、『青薔薇連合会』本部に行くに決まってるだろう?」
そう言うと思いました。
やっと退院したんだから、真っ直ぐ自宅に帰って、シャバの自由を満喫すれば良いものを。
自由になった途端、真っ先に考えるのは仕事のことなんですね。
ルルシーらしいと言えばらしいけど、ワーカーホリック気味であなたのことが心配ですよ。
「…ルレイア、お前何か聞いてるんじゃないのか」
しかも、ルルシーは俺にそう聞いてきた。
ほう。ルルシーも気づいてましたか。
そうでしょうね。あなたなら。
「何かって、何をです?」
「しらばっくれるなよ…。俺に気を遣って、言わなかったんだろ?皆して…」
「…」
その通りだ。
俺も黙っていたし、お見舞いに来たアイズも、アリューシャも、シュノさんも。
ルヴィアさんも、ルリシヤもルーチェスも、何も言わなかった。
傷が癒えるまでベッドから動けないルルシーに、余計な情報を伝えるべきではないと判断したからだ。
ルルシーにはあくまで、何も心配せずに傷を癒やすことだけ考えて欲しい。
そう思ったからこそ、敢えて皆…明るい話題だけを提供して、悪いことは何も言わなかった。
ましてや。
未だ逃走中の『M.T.S社』のリーダーと幹部数名の行方とか。
ルルシーを怪我させた帝国自警団員が何者かとか。
そういう、聞いただけで頭の痛くなりそうなことは…ルルシーには伏せていた。
退院するまでは何も言うまいと、皆で口裏を合わせていたのだ。
でも、ルルシーにはお見通しだったようだな。
まぁ…気になりますよね、普通は。
ルルシーもルルシーで、皆が気を遣ってくれていることを察して。
敢えて自分から、「あの件はどうなってる?」と尋ねないようにしていたのだろう。
お互い気を遣い合っていた訳だ。
だって、仕方ないじゃないですか。
本当のところをルルシーに話したら、ルルシーの退院は、あと一週間は先延ばしになっていただろうから。
俺はその日、ルルシーと共に病院を出た。
「やれやれ…。ようやく自由に動けるよ」
と、心底ホッとしたようなルルシーであった。
「俺は楽しかったですよ。ルルシーと四六時中一緒に過ごせて」
「そうかい」
色々と「お世話」もさせてもらったしな。
まぁ、大半はルルシーが拒否したので、あんまりやらせてはもらえなかったけど。
でも…こんなときでも、ルルシーと一緒にいられて楽しかった。
さて。
「アシュトーリアさんは、すぐに自宅に帰って良いと言ってましたけど…。どうします?」
「勿論、『青薔薇連合会』本部に行くに決まってるだろう?」
そう言うと思いました。
やっと退院したんだから、真っ直ぐ自宅に帰って、シャバの自由を満喫すれば良いものを。
自由になった途端、真っ先に考えるのは仕事のことなんですね。
ルルシーらしいと言えばらしいけど、ワーカーホリック気味であなたのことが心配ですよ。
「…ルレイア、お前何か聞いてるんじゃないのか」
しかも、ルルシーは俺にそう聞いてきた。
ほう。ルルシーも気づいてましたか。
そうでしょうね。あなたなら。
「何かって、何をです?」
「しらばっくれるなよ…。俺に気を遣って、言わなかったんだろ?皆して…」
「…」
その通りだ。
俺も黙っていたし、お見舞いに来たアイズも、アリューシャも、シュノさんも。
ルヴィアさんも、ルリシヤもルーチェスも、何も言わなかった。
傷が癒えるまでベッドから動けないルルシーに、余計な情報を伝えるべきではないと判断したからだ。
ルルシーにはあくまで、何も心配せずに傷を癒やすことだけ考えて欲しい。
そう思ったからこそ、敢えて皆…明るい話題だけを提供して、悪いことは何も言わなかった。
ましてや。
未だ逃走中の『M.T.S社』のリーダーと幹部数名の行方とか。
ルルシーを怪我させた帝国自警団員が何者かとか。
そういう、聞いただけで頭の痛くなりそうなことは…ルルシーには伏せていた。
退院するまでは何も言うまいと、皆で口裏を合わせていたのだ。
でも、ルルシーにはお見通しだったようだな。
まぁ…気になりますよね、普通は。
ルルシーもルルシーで、皆が気を遣ってくれていることを察して。
敢えて自分から、「あの件はどうなってる?」と尋ねないようにしていたのだろう。
お互い気を遣い合っていた訳だ。
だって、仕方ないじゃないですか。
本当のところをルルシーに話したら、ルルシーの退院は、あと一週間は先延ばしになっていただろうから。