The previous night of the world revolution~P.D.~
…と、思ったのだが。

「はぁ〜…。…これはこれで、至福…」

「…」

「良かったな、ルレイア先輩。俺も二人の恋路を応援する仲人として、微笑ましいばかりだ」

「…」

「いたたたた。ちょ、ルルシー手付きが乱暴過ぎません?」

「…」

無言で、眉間にシワを寄せるルルシーである。

俺としては、ルルシーの背中に日焼け止めを塗ってあげたかったのだが。

ルルシーの必死の抵抗により、選手交代した。

つまり、俺がルルシーに日焼け止めを塗るのではなく、ルルシーが俺に日焼け止めを塗ることにした。

ルルシーが俺の柔肌に、いやらしく触れると思えば。

それはそれで悪くないと思って、快諾した次第である。

で、ルルシーに日焼け止めを塗ってもらっているのだが…。

「…何だかルルシー、ちょっと投げやりじゃありません?」

「仕方ないだろ。何が嬉しくて、ルティス帝国の歩くエロスと呼ばれた男の背中に、日焼け止めなんか塗らなきゃならないんだ」

いやん。

「俺の柔肌が日焼けして真っ黒になったら、ルルシーも困るでしょう?」

「俺はま…ったく困らないけどな。お前が日焼けしようと」

ちょっとくらい日焼けしても、ルルシーの俺への愛は変わらない、と?

それは嬉しいけど、でも俺の身体は、俺だけのものじゃないから。

俺のハーレムに所属する、全てのハーレム会員の為にも。

スキンケアには気を遣わなくては。

まぁ、ちょっとくらい日焼けしても、それはそれで男前だけど。

何より、ルルシーが俺に日焼け止めを塗ってくれている。

この事実だけで、どんぶりご飯一杯食べられる。

にゅふふが止まりません。

「ちょ、馬鹿。フェロモンを出すな!」

「はぁ、至福…!」

「微笑ましいな、ルレイア先輩」

「これの何処が微笑ましいんだよ?」

ルリシヤは分かってますねぇ。

…この場にルーチェスがいたら、彼もきっと同意してくれたに違いない。

「ほら、塗り終わったぞ。これで満足か?」

手付きがやや乱暴だったものの、一応ちゃんと塗ってくれた。

俺は満足して、ビーチチェアの上に起き上がった。

「ではそろそろチェンジで、次は俺がルルシーに…」

「アホ抜かせ。断る」

ちっ。駄目だったか。

意外とガードが堅いんだから、ルルシーったら。

まぁ、良いか。

ルルシーに日焼け止め塗ってもらったし。それで良しってことにしよう。
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