The previous night of the world revolution~P.D.~
その後、シュノさんにも日焼け止めを塗ってあげてから。

俺は改めて、ビーチチェアに寝そべり。

カットしたグレープフルーツを添えた、トロピカルジュースを口に含んだ。

よく冷えた甘いジュースが、喉に心地良い。

本当はアルコールを飲みたいところだけど、海水浴で飲酒はやめた方が良いかと思って。

でも、ジュースでも充分雰囲気は出ますね。

打ち寄せる波の音。熱い太陽の日差し。

これぞ海水浴の醍醐味、って感じ。

「たまにはこういうのもアリでしょう?ねぇ、ルルシー」

「あぁ。まぁ…ルレイアが楽しそうで何よりだ」

俺は勿論楽しいですけど。

海水浴を満喫しているのは、俺だけじゃない。

「アイ公、埋めて!あれ、ミイラみたいになる!埋めて!」

「はいはい、暑いから気をつけてね」

ついさっきまで、バタ足で遊んでいたアリューシャだが。

今度はビーチに戻ってきて、アイズに砂浜に埋めてもらっていた。

顔だけ出してミイラみたいになる、砂浜あるあるのアレですね。

「うひょ〜っ!ゾンビアリューシャ〜っ!」

「ゾンビではないと思うけど…アリューシャが楽しそうで良かったよ」

いつ見ても、微笑ましい親子である。

もう本物の親子と言っても差し支えない気がする。

「…あの馬鹿共…」

「まぁまぁ、今日くらい良いじゃないですか、ルルシー」

「今日に限った話じゃないだろ、あいつらは」

大丈夫、大丈夫。

これが彼らの…日常でね?って奴ですから。

で、そんなアイズとアリューシャを横目に。

「…zzz…」

シュノさんは、ビーチパラソルの下で横になり、気持ち良さそうにお昼寝。

シュノさんが昼寝してるって珍しいですよね。

大抵、昼寝と言えばアリューシャのジョブなんだけど…。

…と、思っていると。

アリューシャも、俺と同じことに気づいたらしく。

「あっ!シュー公が寝てる!ずりぃ!それはアリューシャのジョブだぞ!」

砂浜に埋もれながら、シュノさんに抗議していた。

「…ジョブではないだろ…」

ルルシーがポツリと呟いていたが、アリューシャには聞こえていない。

「アリューシャも寝る!砂に埋もれて寝る!」

「暑いからね、アリューシャ。熱中症になっちゃうから。寝たいなら、シュノみたいにパラソルの下で寝ようね」

ですね。

「…で、ルリシヤ。お前は何をやってんだ?」

「ん?俺のことは気にしないでくれ、ルルシー先輩」

ルルシーは、ビーチチェアの周りをうろうろしていたルリシヤに声をかけた。

ちっ、気づいたかルルシー。

「気にするなって言われても、気になるだろ。さっきから何うろうろしてるんだ?」

「いや、大したことはしていない。ちょっとルルシー先輩を盗撮してるだけだ」

「ふざけんな。それは大したことだろうが」

お怒りのルルシー。いやん。

「貴重なルルシー先輩の水着シーンだかからな。是非とも色々な角度から写真に収めておきたいと…」

「やめろ、馬鹿。何考えてんだお前」

「ルレイア先輩に頼まれた」

「言い出しっぺは貴様か!」

ルルシーが、ビシッ、と俺の頭をはたいた。

痛い。DVねルルシー。
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