The previous night of the world revolution~P.D.~
「…はー…。ったく、お前らの相手は疲れる…」

と、空を仰ぐルルシーも格好良くて素敵。

「シュノさん達が起きたら、ビーチバレーでもします?」

「いや、そんなことやったら、お前が圧勝するだけだから…」

「じゃ、泳ぎますか?」

折角海に来たんだから、ちょっとは泳がないと。

海に来た甲斐がありませんよね。

「そうだな…。少し泳ぐか」

やった。

つれない態度に見えて、意外に乗り気なところは好き。

ルルシーなら、どんなところでも全部しゅき。

「…にゅふ」

「…何だよ。その気持ち悪い顔は」

失礼な。

「ルティス帝国の老若男女を虜にする顔ですよ?」

「ルティス帝国の老若男女を騙す顔だな」

ルルシーは俺のことを何だと思ってるんですか。

まぁまぁ、これも愛情の裏返しでしょう。

ルルシーはシャイですからね。

「泳ぐなら、俺も同行させてもらおう」

ルリシヤが、タブレットを置いて立ち上がった。

お、やる気ですね?

「あぁ、良いぞ。お前が盗撮をやめて健全に海水浴を楽しむなら、何でも良い」

フォトアルバムを作られたことを、随分根に持っているルルシーである。

もー…。ルルシーったら相変わらずシャイなんだから。

…すると。

「三人共、泳ぐの?私も一緒に泳いで良い?」

「あ、シュノさんおはようございます」

夢の中にいたシュノさんが、起き出してきた。

「勿論ですよ。シュノさんも一緒に泳ぎましょう」

「うん…!」

すると、俺はふとあることを閃いた。

そうだ、このメンバーなら。

「四人で、沖まで競争と行きますか?」

以前幹部組でプールに行ったときも、競争したっけな。

あのときは、ルリシヤはいなかったっけ。

今度は別の結果になるかもな。

「競争か…。あぁ、良いぞ」

「ほう、俺の実力を見たいようだな?」

「このメンバーで競争…。うぅ、自信ないけど…でも、ルレイアがそう言うなら、頑張る」

ルルシー、ルリシヤ、シュノさんが言った。

大丈夫ですよ。こう見えてシュノさん、結構泳ぎが上手い。

今でも、たまに体力作りの一環で、プールに泳ぎに行ったりしているとか。

とはいえ、プールと海とでは、条件が違うか。

かく言う俺も、プールならともかく、海は泳ぎ慣れていないので。

競争の結果がどうなるか、やってみなければ分からないな。

すると。

「面白そうなことをやってるね」

「お、アイズじゃないですか」

話を聞きつけたアイズが、こちらに歩いてきた。

「アイズ、お前。アリューシャは良いのか?」

「うん、向こうで砂のお城作ってるよ」

微笑ましい。

「アイズも参加します?」

参加者大歓迎ですよ。

と、思ったが。

「私は遠慮しておくよ、さすがにね…。身体を動かすことにおいて、このメンバーに混じって勝てるとは思えないからね」

アイズは頭脳派だからな。

身体を動かすより、頭を動かすことに長けているタイプだ。

勝ち負けは大して気にしていないのだが…。まぁ、アイズが断るなら、無理に勧めるのも良くないだろう。
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