The previous night of the world revolution~P.D.~
「…あなたが、『青薔薇連合会』首領に相応しいと?」
「相応しいかどうかは関係ない。私は正式に、アシュトーリアさんに次期首領として指名されている。だからその期待と信頼に応えるだけだよ」
素晴らしい決意表明である。
アシュトーリアさんに万が一のことが起きたら…なんて考えたくはないが。
もし本当に万が一のことが起きても、アイズがいてくれる限り、『青薔薇連合会』は安泰だ。
しかし。
「馬鹿なことを…。貧民街上がりの幹部を次期首領に指名するなど、アシュトーリア様は何を考えていらしたんだか」
どうにもセルテリシアは、アイズのことが全然信用出来ないらしい。
いや、アイズが信用出来ないって言うか。
自分以外信用出来ない、ってところか?
つーかこの女、「貧民街上がり」ってフレーズ好きだな。
『青薔薇連合会』はもとより、社会から爪弾きにされた者が集まる組織。
貧民街上がりの構成員は、他にも大勢いるはずなのだが。
その全員を罵倒してるんだろうか。この貧民街上がりめ!って?
アホだなー…。
貧民街出身だろうが、王族出身だろうが、人間は人間だぞ。
まぁ、その辺のことが分からない人なんだろう。きっと。
「…あなたは、『青薔薇連合会』の首領に相応しい器ではありません」
挙げ句、きっぱりとこんなことを言う始末。
だってよ。どうする?
ムカつくから、とりあえず一発殴っても良いかな。
アリューシャなんて見てみろ。今にも殴り掛かりそうになるのを、必死の形相で堪えている。
今ここにアリューシャの愛用ライフルがあったら、間違いなく火を噴いていただろうな。
ルルシーも超不機嫌顔。
ルルシーだって「貧民街上がり」の一人だから、遠回しにルルシーのことも馬鹿にしてる。
しかしルルシーが怒っているのは、遠回しに自分が馬鹿にされたからではない。
自分達の仲間、アイズレンシア・ルーレヴァンツァが馬鹿にされているからだ。
「もっと相応しい人物がいます。誉れある『青薔薇連合会』の首領に相応しい者が」
「それは誰なの?君?」
アイズは不機嫌を顔に出さず、淡々と尋ねた。
「勿論、セルテリシア様こそ『青薔薇連合会』首領に相応しい御方です」
返事をしたのは、セルテリシアではなく。
側近(男)のエペルであった。
お前が返事するのかよ。
偉そうに言ってるんだから、お前は貧民街出身じゃないんだよな?
何処だろうな…。さぞや高貴な生まれなんだろうし…。厩(うまや)とか?
「その通り。セルテリシア様は偉大な先々代首領、サナリ・リバニー様の血筋。『青薔薇連合会』の首領として相応しい血筋のお生まれなのです」
側近(女)のミミニアが言った。
めちゃくちゃ偉そう。
生まれとか血筋とか…。貴族の講釈を聞かされているようでうんざりする。
そういう面倒な話とは、すっかり縁が切れたと思っていたのに。
こんなところで、しかもまさか味方の口から聞くことになるな。
味方、身内と言っても、サナリ派の連中は実質敵だけどな。
アシュトーリアさんを襲撃して、アイズを「貧民街上がり」と馬鹿にするような奴が、どうして味方だと思えるだろう。
「相応しいかどうかは関係ない。私は正式に、アシュトーリアさんに次期首領として指名されている。だからその期待と信頼に応えるだけだよ」
素晴らしい決意表明である。
アシュトーリアさんに万が一のことが起きたら…なんて考えたくはないが。
もし本当に万が一のことが起きても、アイズがいてくれる限り、『青薔薇連合会』は安泰だ。
しかし。
「馬鹿なことを…。貧民街上がりの幹部を次期首領に指名するなど、アシュトーリア様は何を考えていらしたんだか」
どうにもセルテリシアは、アイズのことが全然信用出来ないらしい。
いや、アイズが信用出来ないって言うか。
自分以外信用出来ない、ってところか?
つーかこの女、「貧民街上がり」ってフレーズ好きだな。
『青薔薇連合会』はもとより、社会から爪弾きにされた者が集まる組織。
貧民街上がりの構成員は、他にも大勢いるはずなのだが。
その全員を罵倒してるんだろうか。この貧民街上がりめ!って?
アホだなー…。
貧民街出身だろうが、王族出身だろうが、人間は人間だぞ。
まぁ、その辺のことが分からない人なんだろう。きっと。
「…あなたは、『青薔薇連合会』の首領に相応しい器ではありません」
挙げ句、きっぱりとこんなことを言う始末。
だってよ。どうする?
ムカつくから、とりあえず一発殴っても良いかな。
アリューシャなんて見てみろ。今にも殴り掛かりそうになるのを、必死の形相で堪えている。
今ここにアリューシャの愛用ライフルがあったら、間違いなく火を噴いていただろうな。
ルルシーも超不機嫌顔。
ルルシーだって「貧民街上がり」の一人だから、遠回しにルルシーのことも馬鹿にしてる。
しかしルルシーが怒っているのは、遠回しに自分が馬鹿にされたからではない。
自分達の仲間、アイズレンシア・ルーレヴァンツァが馬鹿にされているからだ。
「もっと相応しい人物がいます。誉れある『青薔薇連合会』の首領に相応しい者が」
「それは誰なの?君?」
アイズは不機嫌を顔に出さず、淡々と尋ねた。
「勿論、セルテリシア様こそ『青薔薇連合会』首領に相応しい御方です」
返事をしたのは、セルテリシアではなく。
側近(男)のエペルであった。
お前が返事するのかよ。
偉そうに言ってるんだから、お前は貧民街出身じゃないんだよな?
何処だろうな…。さぞや高貴な生まれなんだろうし…。厩(うまや)とか?
「その通り。セルテリシア様は偉大な先々代首領、サナリ・リバニー様の血筋。『青薔薇連合会』の首領として相応しい血筋のお生まれなのです」
側近(女)のミミニアが言った。
めちゃくちゃ偉そう。
生まれとか血筋とか…。貴族の講釈を聞かされているようでうんざりする。
そういう面倒な話とは、すっかり縁が切れたと思っていたのに。
こんなところで、しかもまさか味方の口から聞くことになるな。
味方、身内と言っても、サナリ派の連中は実質敵だけどな。
アシュトーリアさんを襲撃して、アイズを「貧民街上がり」と馬鹿にするような奴が、どうして味方だと思えるだろう。