The previous night of the world revolution~P.D.~
だが、これはあくまで万が一のことが起きたと仮定した場合だ。

俺だって、そんな面倒はしたくない。

このままアイズを首領にして、『青薔薇連合会』に留まれるものならそうしたい。

そもそも、アイズに代替わりするのも嫌だ。

いずれアイズが首領になるとしても、もうしばらくは、アシュトーリアさんのもとで働きたいですね。

彼女が回復してくれるのが一番なのだが…。

こればかりは、信じてもいない神に祈るしかなさそうだ。

果たして神様という奴は、マフィアの首領に慈悲をかけるほど懐が広いのだろうか?

…ともあれ。

状況がいかなる形に転んでも、後手に回ることがないよう対策だけはしておかなくては。

「…アイズ。あなたはしばらく護衛をつけて行動した方が良さそうですね」

「…そうかもしれないね」

まずは、アイズの身を守ることから始めよう。

アシュトーリアさんを襲ったように、今度はアイズを襲う可能性は充分ある。

アイズの身にまで何かあったら、さすがに不味いですよ。

サナリ派の思うツボ…にだけは決してさせてはいけない。

させてたまるか。

「決して一人になってはいけませんよ。それから、不要な外出は控えるようにしないと」

アイズは、分かっているという風に頷いた。

すると。

「な、何でアイ公がそんなことしなきゃいけないんだよ?」

と、アリューシャが慌てたように尋ねた。

「危険だからですよ、アリューシャ。サナリ派の連中にとって、アシュトーリアさんも、そんなアシュトーリアさんから次期首領に指名されているアイズも、邪魔な存在でしかないんです」

「な、何をぅ!アイ公が邪魔だと!?けしからん!」

アイズが邪魔だと言われて、いきりたつアリューシャ。

全くですよ。
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