The previous night of the world revolution~P.D.~
更に。

「不要かもしれないが、俺もボディーガードに立候補しよう」

仮面の「新参」幹部、ルリシヤまでもがボディーガードに立候補。

アリューシャ、シュノさんに加えてルリシヤまでもが護衛に回るとは。

盤石の守り。

最早崩せる気がしない。

「カメラや盗聴器の有無、監視、尾行、侵入の心得は、ルルシー先輩の家に潜り込むときに身に着けている。サナリ派が搦め手を使ってアイズ先輩を襲ったとしても、俺の仮面の勘でいち早く察知してみせよう」

「ありがとう、ルリシヤ。頼もしいよ」

本当に頼もしいですよね。

「それに、シュノ先輩はアイズ先輩の家の中までは、さすがに入れないだろうからな。昼間はシュノ先輩、夜間から早朝にかけては、俺が護衛しよう」

交代制ですか。

それが良いだろう。鬱陶しいかもしれないが、24時間、誰かが傍にいる状態にしておくべきだ。

ルリシヤは、シュノさんにも引けを取らない『青薔薇連合会』指折りの実力者。

サナリ派の連中の中に、ルリシヤを傷つけられる猛者がいるとは思えない。

彼がアイズを護衛してくれると言うなら、これほど頼もしいことはない。

「頼もしい…頼もしいんだが、俺の家でそんな経験を培うな」

ルルシーが真顔で突っ込んでるけど、それはまぁ聞かなかったことにしよう。

何事も経験は役に立つものですね。

「それから、皆」

アイズが俺達の方を向いて言った。

「私を守ろうとしてくれるのは嬉しい。けど…ここにいる皆は、新『青薔薇連合会』派の幹部だ。サナリ派にとっては、君達も充分脅威な敵なんだよ」

…そうでしょうね。

脅威…とまでは言わずとも、厄介な、面倒な相手だとは思ってるでしょうね。

「私を狙うと見せかけて、皆の方が狙われないとも限らない。くれぐれもサナリ派の動きには注意して。出来るだけ一人にならないように」

「…分かりました」

アイズほどじゃないにしても、俺達も危ないことに変わりはありませんからね。

…連中が俺を暗殺しようと目論むとは、とても思えませんけど。

来るなら来い。返り討ちにしてやる。

とはいえ一応、注意はしておくべきでしょうね。

「…それから、ルレイア。君に一つ頼みたいことがあるんだけど」

「ん?何ですか?」

アイズは自嘲気味に微笑んで、俺に向かって言った。

「考えたくはないけど、アシュトーリアさんがこのまま目を覚まさず、それに…私の身にももしものことが起きたとして」

それは本当に考えたくないですね。

「そのとき『青薔薇連合会』の次の首領は、セルテリシアじゃなくて君がやって欲しい」

…。

…ほう。
< 468 / 634 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop