The previous night of the world revolution~P.D.~
そう来ましたか。

俺、まだ心の準備してなかったんですけど?

突然…非常に重要な役割を押し付けられた気がしますね。

「信頼してくれるのは有り難いですけど、俺は首領の器じゃありませんよ」

「いいや、君は元来人の上に立つ才能がある人だよ」

そうなんですか?

その根拠は何処に。

「アシュトーリアさんでもない、私でもない、ましてや…セルテリシアでもない。君が『青薔薇連合会』を率いて欲しい。ルレイアは首領になんてなりたくない…とは分かってるけど、でも頼んでも良いかな」

…参りましたね。

もしものことがあったら、『青薔薇連合会』を離反して別組織を新設しようと思ってたんですけど。

その計画は白紙ですね。

まさか、アイズ直々に指名されてしまうとは…。

…嫌だったとしても、嫌とは言えない空気。

さては、わざとですね?

そんな風に頼めば、俺が断るに断れないと思って。

「…それはズルいですよ、アイズ」

「うん、私はズルいよ。ズルくないと、『青薔薇連合会』の首領は務まらないからね」

開き直る始末。

いくらアイズに、君は人の上に立つ才能が…とか言われても。

俺自身は首領の器じゃないと思ってるし、首領になりたいと思ったこともないし…。

…それでも、アイズはズルい。

そんな頼み方されたら、嫌だとは言えないじゃないですか。

「…分かりました。引き受けましょう」

「ありがとう、ルレイア」

「でも、そうならないことを祈ってます」

「そうだね。私もだよ」

さぁ、大変なことになりましたよ。

まかり間違っても俺が『青薔薇連合会』の首領にならなくて済むよう、ますます気を引き締めて対策を講じなくては。
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