The previous night of the world revolution~P.D.~
俺とルルシーの居場所…ねぇ。

上手い説得の仕方をする。

そう言われたら、耳を貸さずにはいられないじゃないか。

こんな説得の仕方をするとは、あながち、ただの世間知らずの小娘って訳じゃないみたいだな。

少なくとも、ブロテよりは遥かに説得が上手いぞ。同じ小娘ではあるけども。

確かに俺は、『青薔薇連合会』という組織には執着していない。

帝国騎士団を裏切られ、居場所をなくした俺を受け入れてくれた恩はある。

が、俺はルルシーと一緒にいられるなら、そこがどんな組織であろうとも、何処でも構わない。

帝国騎士団は嫌だけどな。

何なら、帝国自警団でも構わない。ルルシーが一緒ならな。

今のところ、『青薔薇連合会』にいて居心地が良いから、特に裏切る理由もなく『青薔薇連合会』の幹部なんてやっているが…。

しかしセルテリシアの言う通り、この女がアイズを押し退けて、『青薔薇連合会』の首領になるとしたら。

そのとき俺は、『青薔薇連合会』を追われる身になる訳だ。

それどころか、ルティス帝国にさえいられなくなる可能性がある。

新しくなった『青薔薇連合会』は、ヴァルレンシー派の元幹部が国内にいることを嫌うだろう。

国内どころか、箱庭帝国やアシスファルト帝国、とにかく『青薔薇連合会』の息がかかった国にはいられない。

そうなると俺とルルシーは…『青薔薇連合会』から差し向けられる(かもしれない)刺客に怯えながら、逃避行を続けなければならない。

安息の地など、容易に見つけられるものではない。

…ふむ。それは…嫌ですね。

俺はただ、ルルシーと一緒にいたいだけ。

それを邪魔されることに耐えられないだけだ。

…だとしたら…。

ルルシーと一緒に、安全な場所にいられるのなら。

それが、セルテリシア率いる『青薔薇連合会』でも構わないのでは?
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