The previous night of the world revolution~P.D.~
第二部~Ⅳ~
―――――――…こちらは、『青薔薇連合会』本部。
私は自分の執務室で、護衛役のアリューシャとシュノと三人で過ごしていた。
さっきから非常に、空気が重い。
いつ来るか分からない暗殺者に怯えて、落ち着かない気分を過ごすというのは辛いものだ。
それに…。
さっきからどうも、嫌な予感がすると言うか…。
事態がこれからどう転ぶか分からなくて、私としても不安だよ。
自分が暗殺されるかもしれないことが不安、なのではなく。
自分が暗殺されることによって、『青薔薇連合会』に巻き起こるであろう派閥争いが不安なのだ。
下らない内乱のせいで、『青薔薇連合会』という組織そのものが弱体化、あるいは最悪、瓦解することになったら…。
また、国内外に留まらず、『青薔薇連合会』が隙を見せるタイミングを虎視眈々と狙っている組織は山程ある。
派閥争いの弱みに付け入られて、そういう連中に狙われてしまうんじゃないか…。
その不安でいっぱいだよ、私は。
「…アイ公、まーた難しい顔してんぞ」
アリューシャが指を伸ばして、私の眉間の皺を撫でた。
おっと。ごめんね。
「アリューシャには難しいことは分かんねぇけど…。怪しい奴がアイ公を狙ってたら、アリューシャが返り討ちにしてやるから大丈夫だ!」
「そうだね…。ありがとう、アリューシャ」
「そうよ、元気を出してアイズ。私もいるから」
シュノも、努めて笑顔を見せて励ましてくれた。
優しい仲間に恵まれて、私は幸せ者だよ。
「うん、シュノもありがとう」
「あんまり部屋の中でじっとしてたら、気が滅入るのも無理ないわよね…」
「ポテチでも食うか?」
ポテチも良いんだけど、それはアリューシャのおやつだからね。
すると。
「…ルリシヤ、遅いね」
窓の外をじっと見つめて、シュノがそう言った。
窓の外は、もうとっぷりと日が暮れている。
「日が沈んだら護衛を替わるって言ってたんだけど…」
そうだったね。
昼間はシュノ、夜間はルリシヤが私の護衛を務めてくれる…との話だったはずだが…。
未だに、ルリシヤは本部に戻ってきていない。
ルルシーの家に監視カメラや盗聴器を取りに行ってくる…と言ってたけど。
まだ時間がかかっているのだろうか?
「ルリ公のことだから、またすげー新兵器用意してんじゃね?」
と、アリューシャ。
例の…カラーボール型兵器かな?
あれって多種多様で面白いよね。
毎回毎回、よくアイデアが思いつくなぁって思う。
あれもルリシヤの才能だよ。
「大丈夫だよ、シュノ。帰っても。間もなくルリシヤも戻ってくるだろうし…」
女性であるシュノを、日が暮れてからも残業に付き合わせるのは気が引ける。
しかし、シュノはそれを拒否するように頭を振った。
「ううん、大丈夫。ルリシヤが来るまで、ここで待つわ」
「…良いの?」
「勿論。アイズを守る為だもの」
それは頼もしいね。
私は引き出しの中から、一組のトランプを取り出した。
「じゃあ…ルリシヤが戻ってくるまでの暇潰しに、トランプでもしようか」
あんまり気を滅入らせて、悶々としてても精神衛生上悪いしね。
優雅にトランプを楽しんでるくらいが丁度良い。
私は自分の執務室で、護衛役のアリューシャとシュノと三人で過ごしていた。
さっきから非常に、空気が重い。
いつ来るか分からない暗殺者に怯えて、落ち着かない気分を過ごすというのは辛いものだ。
それに…。
さっきからどうも、嫌な予感がすると言うか…。
事態がこれからどう転ぶか分からなくて、私としても不安だよ。
自分が暗殺されるかもしれないことが不安、なのではなく。
自分が暗殺されることによって、『青薔薇連合会』に巻き起こるであろう派閥争いが不安なのだ。
下らない内乱のせいで、『青薔薇連合会』という組織そのものが弱体化、あるいは最悪、瓦解することになったら…。
また、国内外に留まらず、『青薔薇連合会』が隙を見せるタイミングを虎視眈々と狙っている組織は山程ある。
派閥争いの弱みに付け入られて、そういう連中に狙われてしまうんじゃないか…。
その不安でいっぱいだよ、私は。
「…アイ公、まーた難しい顔してんぞ」
アリューシャが指を伸ばして、私の眉間の皺を撫でた。
おっと。ごめんね。
「アリューシャには難しいことは分かんねぇけど…。怪しい奴がアイ公を狙ってたら、アリューシャが返り討ちにしてやるから大丈夫だ!」
「そうだね…。ありがとう、アリューシャ」
「そうよ、元気を出してアイズ。私もいるから」
シュノも、努めて笑顔を見せて励ましてくれた。
優しい仲間に恵まれて、私は幸せ者だよ。
「うん、シュノもありがとう」
「あんまり部屋の中でじっとしてたら、気が滅入るのも無理ないわよね…」
「ポテチでも食うか?」
ポテチも良いんだけど、それはアリューシャのおやつだからね。
すると。
「…ルリシヤ、遅いね」
窓の外をじっと見つめて、シュノがそう言った。
窓の外は、もうとっぷりと日が暮れている。
「日が沈んだら護衛を替わるって言ってたんだけど…」
そうだったね。
昼間はシュノ、夜間はルリシヤが私の護衛を務めてくれる…との話だったはずだが…。
未だに、ルリシヤは本部に戻ってきていない。
ルルシーの家に監視カメラや盗聴器を取りに行ってくる…と言ってたけど。
まだ時間がかかっているのだろうか?
「ルリ公のことだから、またすげー新兵器用意してんじゃね?」
と、アリューシャ。
例の…カラーボール型兵器かな?
あれって多種多様で面白いよね。
毎回毎回、よくアイデアが思いつくなぁって思う。
あれもルリシヤの才能だよ。
「大丈夫だよ、シュノ。帰っても。間もなくルリシヤも戻ってくるだろうし…」
女性であるシュノを、日が暮れてからも残業に付き合わせるのは気が引ける。
しかし、シュノはそれを拒否するように頭を振った。
「ううん、大丈夫。ルリシヤが来るまで、ここで待つわ」
「…良いの?」
「勿論。アイズを守る為だもの」
それは頼もしいね。
私は引き出しの中から、一組のトランプを取り出した。
「じゃあ…ルリシヤが戻ってくるまでの暇潰しに、トランプでもしようか」
あんまり気を滅入らせて、悶々としてても精神衛生上悪いしね。
優雅にトランプを楽しんでるくらいが丁度良い。