The previous night of the world revolution~P.D.~
…ルヴィアが慌てる訳だね。

ルヴィアじゃなくても慌てるよ。そんなこと聞かされたら。

「え…。そ…それ、どういうこと…?」

シュノは呆然として呟いた。

「…??」

アリューシャは現状が理解出来ていないらしく、首を傾げている。

ルヴィアの言ったことの意味は分かってるんだろうけど。

多分、現実に理解が追いつかないのだろう。

その気持ちはよく分かる。

今聞いたこと、嘘だったら良かったんじゃないかと思ってるから。

「…言葉通りの意味です。ルルシーさんは…ルレイアさんも、ルーチェスさんも…セルテリシアに忠誠を誓って、『ブルーローズ・ユニオン』の幹部になると決めたそうで…」

と、ルヴィアが沈鬱な面持ちで答えた。

嘘だったら良いと思ったけど、やっぱり嘘じゃなかったんだね。

受け入れなければならない…現実だ。

「…な、何それ…。それって…ルレイアが…私達を裏切ったってこと?」

「…そう、です」

シュノの問いに、ルヴィアが頷いて答えた。

…そういうことだね。残念ながら。

とても受け入れ難いことだけど、受け入れざるを得ない。

それが事実なら、受け入れない訳にはいかない。

「…嘘、そんなの嘘よ!」

しばし呆然と震えていたシュノが、我に返ったように大声を上げ。

そして、ルヴィアの胸ぐらに掴みかかった。

「あなたは嘘を言ってるんだわ。ルレイアが、ルレイア達が…私達を裏切るはずがないもの!」

「…それは…」

気持ちは分かる。けど…。

ルヴィアにそれを言ったって、どうしようもない。

「そんな下らない嘘をついて何になるのよ?本当のことを言って!じゃないと許さないから!」

「…」

「ルレイアは私を裏切ったりなんかしない。裏切るもんですか!また嘘の情報だわ。誰かが嘘の情報を流して、私達を混乱させようとしてるだけなのよ!」

…そうであったら良いね。

そうだったら良いと、心から思うけど…。
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