The previous night of the world revolution～P.D.～

我ながら良い案だと思う。

…え？何でカラオケなのかって？

それは俺がカラオケ好きだから、あぁいや、そうじゃなくて。

食事会でも良いかなと思ったんですけど、やっぱり仲良くもない相手と食事に行くのは辛いですよ。

カラオケなら気軽に行けるし、何より喋る必要がないというのが一番大きい。

歌ってる間は当選喋らなくて良いし、他の誰かが歌ってるときもそう。喋る必要がない。

タンバリンを叩いたりポテトフライを摘んだり、次の曲を検索したり。

食事会なんて行ったら、どうしても会話をしなきゃいけないじゃないですか。

沈黙の中で食事するなんて最悪ですから。

それ故、カラオケである。

食事会が気まずい空気で終わることがあっても、カラオケが気まずい空気で終わることって、あんまりないだろう？

知らない相手が一緒でも、何とかカラオケ特有のテンションで、ある程度気持ちの良い雰囲気で過ごすことが出来る…。

そんな魔法の力がカラオケにはあると、俺は信じている。

こいついけ好かねぇと思う相手でも、自分の好きな曲を偶然その人が歌ってたら、ちょっと「おっ？」って思うでしょう？

見直すと言うか、認識を改めると言うか。

この人こんな一面もあったんだ、って親近感を覚えると言うか。

自分と趣味の合う相手を毛嫌いするって、あんまり出来ることじゃないですから。

問題は、エペル達がどういう選曲をするかだな。

『frontier』とか『ポテサラーズ』を知ってたら、その話題をきっかけに仲良くするチャンスなんですが。

カラオケに行くとたまにいる、「知ってる曲がない」とか言って場の空気を白けさせる、一緒に行きたくないタイプである可能性もある。

歌う曲がないなら、カラオケなんかついてくるんじゃねぇ。

一生タンバリン叩いてろ。