The previous night of the world revolution~P.D.~
さて、それではエペルの反応は?

意外にあっさりと「分かった」と言ってくれるかもしれない…。

「馬鹿を言うな。誰がお前達なんかと」

と思ったけど、そんなことは全然なかった。

お前達「なんか」って何だよ。

「どうしてですか?今夜は忙しいですか?」

「そういう問題じゃない。例えやることが何もなくて退屈でも、お前達と遊びに行くなんて御免だ」

ふーん。

じゃあ、足元に落っこちてる石ころの数でも数えてれば?

鏡の中の自分とじゃんけんするのもおすすめ。

「大体、そんな世俗的な場所、『ブルーローズ・ユニオン』の幹部ともあろう者が出入りして良い場所じゃない」

え?まさかのカラオケそのものを否定?

俺達が一緒だから嫌なんじゃなくて、カラオケそのものが嫌だと?

元皇太子のルーチェスだって、喜んでカラオケに行ってるくらいなのに。

たかが『ブルーローズ・ユニオン』の幹部ごときが、お高く留まっちゃってまぁ…。

自分を何様だと思ってるんだろう。カラオケを馬鹿に出来る立場だとでも?

「そうですか?『青薔薇連合会』の幹部組は、よく一緒にカラオケに行ったり、ラーメン屋でお昼食べたりしてましたけどね」

「はっ、下らない。貧民街上がりの幹部の行くところだな」

お前、生涯で一度もカラオケにも、ラーメン屋にも行かないつもりか?

そうやって「相応しくない」を言い訳に、他にも色々な楽しい場所を避けて生きてるんだろうな。

人生何割か損してません?

俺は嫌ですよ。

例え元貴族でも、『青薔薇連合会』の幹部でも、俺はカラオケに出入りします。

コンビニのスナックだって食べたいし、ファーストフード店でポテトを買いたい。

そうやって自分に縛りプレイするの、疲れないんだろうか。
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