The previous night of the world revolution~P.D.~
時に有効なプレゼント作戦だが。

今回の場合、正直なところ…。

「難しいと思いますよ。現状俺達が何をしても、奴らの目には『媚びを売ってる』ようにしか見えてないんですから」

「…まぁ、媚びを売ってるのは事実だけどな」

媚びを売ってると気づかれないように媚びを売るのが、プロの技術なんですよ。

「一番効果があるのは、やはり二人が言っていたように、行動で示すことでしょうね」

背中で見せるタイプ。

格好良いですよね。俺はいつも格好良いですが。

「行動で…と言われてもな」

「とりあえず、表向きはセルテリシアにも、側近二人にも従順な振りをしておくべきでしょう」

ムカつくことはたくさんあるが、にこやかに「接待」してやらなければ。

恐らく、それが一番効果的だと思う。

…あとは…。

「奴らの心の弱みに付け込むのも、手だと思いますよ」

「…心の弱み…?」

首を傾げるルルシー。

上手く説明するのは難しいが、要するに…。

「人間とは、誰しも心の何処かに、触れられたくない繊細な部分を持っているものですよ」

心の傷とか、忘れたい過去とかな。

「そういう部分をほじくり返して、優しく同情して慰めてあげるんですよ。そうしたらあっという間に『落とせ』ますよ」

「…つまり、敢えて相手の弱みをついて、弱ったところを籠絡するってことか」

「そういうことですね」

「悪魔のような所業だな」

それは褒め言葉だと思っておきますよ、ルルシー。
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