The previous night of the world revolution~P.D.~
セルテリシアに近づくには、まずあの厄介な側近二人、エペルとミミニアの追及を躱す必要がある。

僕達のことを全く信用していないあの二人は、僕達がセルテリシアに近づくことを許してはくれないはずだ。

従ってセルテリシアに近づくには、エペルとミミニア両名が不在のときでなければならない。

不用意に近づこうものなら、「セルテリシア様に何の用だ?」と余計疑われることになりかねない。

慎重に動くべきでしょう。

そして、計画実行日である今日は、セルテリシアに近づく絶好のチャンスだ。

というのも、今日の午後から数時間、セルテリシアの側近二人は。

任務で、『ブルーローズ・ユニオン』本部からいなくなるらしいのだ。

このチャンスを逃す手はない。

鬼の居ぬ間に洗濯、ならぬ。

鬼の居ぬ間にナンパ、ですね。

「…よし、今なら…」

僕は『ブルーローズ・ユニオン』本部の窓に貼り付いて、エペルとミミニアが出ていくところを確認し。

早速、セルテリシアのいる、本部最上階の部屋に向かった。

勿論、今日の為に用意した「貢ぎ物」も持参して、だ。

あとは、用意した言葉を頭の中で再度反芻する。

セルテリシアがどのような反応をするかは分からないが…。

とにかく、まずは一歩を踏み出してみなければ分からない。

当たって砕けろの精神で行きましょう。

…いや、砕けるのはちょっと遠慮したいですけどね。

貢ぎ物を片手に、エレベーターに乗り込む。

真っ直ぐ最上階に向かい、エレベーターが開き。

一歩を踏み出した途端、僕は最初の「洗礼」を受けた。
 
「止まれ」

「うわっ、びっくりした」

エレベーターの扉が開くなり、僕を待っていたのはマシンガンの銃口であった。

それで僕を蜂の巣にするつもりですか。

それとも『ブルーローズ・ユニオン』には、味方にマシンガンを向けるのが正しい挨拶である、というルールでもあるのか。

「…何ですか?これは」

「このフロアは、セルテリシア様が許可された者しか入ることは許されない」

マシンガンを構えた強面の構成員が、そう言った。
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