The previous night of the world revolution~P.D.~
あー、成程そういうことですか…。

本当に、随分と身持ちが固いんですね。

一応幹部の身分なのに、アポ無しで首領に会うことは出来ないと。

仮に味方相手に、マシンガンなんか向けないでくださいよ。

危ないじゃないですか。

まぁ、撃たれたら避けますけど。

「ここに何の用だ?」

何の用だと言われましても…。

「セルテリシアさんに用がありまして」

「用とは何だ」

「ちょっと一緒にお茶でもしようかと…」

「セルテリシア様にそのような予定はない」

アポ無しだと、会いに来るのも駄目なんですか?

それはまた随分…「お高く留まった」リーダー様ですね。

アシュトーリアさんなんて、アポ無しで突然訪ねても、快く歓迎してくれましたけどね。

上に立つ者として、懐の広さの違いというものを実感しますね。

「だってアポイントを取ろうとしても、どうせ駄目だと断られるでしょう?」

何の為に、エペルとミミニアのいないときを狙って来たと思ってるのだ。

僕がセルテリシアに近寄ろうとしているのを知れば、あの二人のこと、いきり立って拒絶するに決まっている。

しかし。

「現在はエペル様とミミニア様も外出中だ。お二人が不在の間に、何人たりともセルテリシア様に会わせることは出来ない」

本当にお高く留まってますね。

それとも臆病なのか?

側近がいないと、客人に会うことすらしないとは。

客人と言うか、同じ組織の仲間じゃないか。

「ほんの少しの時間で良いですから。折角来たんだから入れてくださいよ。別に忙しくて手が離せない訳ではないんでしょう?」

駄目元だけど、ゴネるだけゴネてみる。

ここまで来て門前払い食らって、「はいそうですか」でむざむざ帰れるか。

食い下がらせてもらいますよ。

どうせ、失うものは何もありませんからね。
< 533 / 634 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop