The previous night of the world revolution~P.D.~
――――――…ルレイア、ルルシー、ルーチェスの三人が、『ブルーローズ・ユニオン』の幹部になってから数週間。
『青薔薇連合会』では、良いニュースと悪いニュースの両方が飛び交っていた。
まず、悪いニュースの方から説明しよう。
「…ルレイアさんがルルシーさんと一緒に、サナリ派に寝返ったらしい」
「二人だけじゃないぞ。ルーチェスさんもだ」
「嘘だろ…?あの三人がサナリ派に寝返ったら、誰があの三人を止められるんだ…?」
「いよいよ『青薔薇連合会』も、お先真っ暗かもしれないな…」
…。
『青薔薇連合会』本部の廊下を歩いていると、何処からともなくそんなヒソヒソ声が聞こえてくる。
これを悪いニュースと言わずとして、何と言うのか。
私はルレイア達が出奔した当初、ルレイア達の裏切りを組織内に公表していなかった。
こんなことを話せば、組織の中が揺れるのは明白だったから。
でも、ルレイアもルルシーもルーチェスも『青薔薇連合会』の中にいなくなってしまったのは事実。
彼らの裏切りを、これ以上伏せておくことは出来なかった。
特に、いなくなった三人の派閥に所属していた構成員には。
私は言葉を選んで、彼らがサナリ派についたことを全ての構成員に説明した。
予想通り、皆酷く動揺していたし、これからどうなるのかと心配していた。
今やあの三人は、『青薔薇連合会』を支える大事な屋台骨のうちの一本だから。
それが折れれば、『青薔薇連合会』という組織そのものが危ない。
…でも、私はそれほど心配していない。
だって、ルリシヤが私達に教えてくれた。
ルレイア達は、本気で『青薔薇連合会』を裏切った訳ではない。
彼らはセルテリシア・リバニーの勧誘を受け。
『ブルーローズ・ユニオン』に潜り込む為に、『青薔薇連合会』を裏切った振りをしているだけだと。
それが分かっているから、私は彼らを心配していない。
が、このことを他の構成員達に話す訳にはいかなかった。
ルレイア達三人が裏切った振りをしているだけ、という情報は、準幹部以上にしか知らせていない。
『ブルーローズ・ユニオン』の情報網の広さを舐めてはいけないからだ。
『青薔薇連合会』の中には、『ブルーローズ・ユニオン』のスパイが潜り込んでいる可能性だってある。
末端の構成員にまで真実を知らせて、回り回って『ブルーローズ・ユニオン』にまで伝わってしまうかもしれない。
情報の漏洩を恐れた私は、他の構成員達にはあくまで、「ルレイア、ルルシー、ルーチェスの三名がサナリ派についた」としか伝えていない。
それ以上のことは何も伝えなかった。
その結果、構成員達の中では不安が広がっている。
それに。
「ルリシヤさんまでやられたんだろう?」
「あぁ、聞いたよ。あの人をどうにか出来るのは、ルレイアさんくらいだろうからな…」
「そうだよな…」
という、部下達のヒソヒソ話が、何処からともなく聞こえてきた。
こちらも話題になっているようだ。
同じく、『ブルーローズ・ユニオン』に情報が漏れることを防ぐ為に。
ルリシヤは、寝返ったルレイアに撃たれ、瀕死の重傷を負った…ということになっている。
ルリシヤがピンピンしているのを見られたら、ルレイアが本当は裏切ってないことがバレてしまう可能性がある。
その為、ルリシヤは現在、『青薔薇連合会』内で人目につかないよう隠れてもらっている。
部下達に隠し事ばかりして申し訳ないが、ここが堪えどころだ。
『青薔薇連合会』では、良いニュースと悪いニュースの両方が飛び交っていた。
まず、悪いニュースの方から説明しよう。
「…ルレイアさんがルルシーさんと一緒に、サナリ派に寝返ったらしい」
「二人だけじゃないぞ。ルーチェスさんもだ」
「嘘だろ…?あの三人がサナリ派に寝返ったら、誰があの三人を止められるんだ…?」
「いよいよ『青薔薇連合会』も、お先真っ暗かもしれないな…」
…。
『青薔薇連合会』本部の廊下を歩いていると、何処からともなくそんなヒソヒソ声が聞こえてくる。
これを悪いニュースと言わずとして、何と言うのか。
私はルレイア達が出奔した当初、ルレイア達の裏切りを組織内に公表していなかった。
こんなことを話せば、組織の中が揺れるのは明白だったから。
でも、ルレイアもルルシーもルーチェスも『青薔薇連合会』の中にいなくなってしまったのは事実。
彼らの裏切りを、これ以上伏せておくことは出来なかった。
特に、いなくなった三人の派閥に所属していた構成員には。
私は言葉を選んで、彼らがサナリ派についたことを全ての構成員に説明した。
予想通り、皆酷く動揺していたし、これからどうなるのかと心配していた。
今やあの三人は、『青薔薇連合会』を支える大事な屋台骨のうちの一本だから。
それが折れれば、『青薔薇連合会』という組織そのものが危ない。
…でも、私はそれほど心配していない。
だって、ルリシヤが私達に教えてくれた。
ルレイア達は、本気で『青薔薇連合会』を裏切った訳ではない。
彼らはセルテリシア・リバニーの勧誘を受け。
『ブルーローズ・ユニオン』に潜り込む為に、『青薔薇連合会』を裏切った振りをしているだけだと。
それが分かっているから、私は彼らを心配していない。
が、このことを他の構成員達に話す訳にはいかなかった。
ルレイア達三人が裏切った振りをしているだけ、という情報は、準幹部以上にしか知らせていない。
『ブルーローズ・ユニオン』の情報網の広さを舐めてはいけないからだ。
『青薔薇連合会』の中には、『ブルーローズ・ユニオン』のスパイが潜り込んでいる可能性だってある。
末端の構成員にまで真実を知らせて、回り回って『ブルーローズ・ユニオン』にまで伝わってしまうかもしれない。
情報の漏洩を恐れた私は、他の構成員達にはあくまで、「ルレイア、ルルシー、ルーチェスの三名がサナリ派についた」としか伝えていない。
それ以上のことは何も伝えなかった。
その結果、構成員達の中では不安が広がっている。
それに。
「ルリシヤさんまでやられたんだろう?」
「あぁ、聞いたよ。あの人をどうにか出来るのは、ルレイアさんくらいだろうからな…」
「そうだよな…」
という、部下達のヒソヒソ話が、何処からともなく聞こえてきた。
こちらも話題になっているようだ。
同じく、『ブルーローズ・ユニオン』に情報が漏れることを防ぐ為に。
ルリシヤは、寝返ったルレイアに撃たれ、瀕死の重傷を負った…ということになっている。
ルリシヤがピンピンしているのを見られたら、ルレイアが本当は裏切ってないことがバレてしまう可能性がある。
その為、ルリシヤは現在、『青薔薇連合会』内で人目につかないよう隠れてもらっている。
部下達に隠し事ばかりして申し訳ないが、ここが堪えどころだ。