The previous night of the world revolution~P.D.~
そして、そんなシュノの横で。

「…zzz…」

同じく突っ伏して寝ているのは、アリューシャである。

アリューシャも、アシュトーリアさんが帰ってきてとても喜んでいた。

そしてそれ以降、こうしてアシュトーリアさんのもとに通い詰めている。

口には出さないけど、アリューシャも寂しかったんだろうね。

ルレイア達が裏切ったと聞かされたとき、アリューシャはかなり冷静だった。

裏切られたんなら裏切られた方が悪い。それがアリューシャの意見だった。

冷静なように見えて…心の中では、強がっていた部分もあるのだろう。

今はアシュトーリアさんが戻ってきて、アリューシャも少し元気になった。

良かった。

アリューシャが元気でいてくれると、私も元気になるからね。

そして、アシュトーリアさんの部屋に集まっている幹部組はもう一人。

「風邪を引くぞ、二人共」

ルリシヤが、眠っているシュノとアリューシャにそれぞれ、そっと毛布をかけた。

ルリシヤも、アシュトーリアさんが帰ってきてからというもの、ずっとこの部屋にいる。

が、それはルリシヤが寂しがり屋だからではない。

単に、他の構成員に姿を見られたら困るからだ。

一応ルリシヤは今、ルレイアに撃たれて瀕死の重傷を負っている…ということになっているから。

こうしてピンピンしているのを見られたら、都合が悪い。

ということで、恐らくこの『青薔薇連合会』本部の中で最も安全な場所に。

つまり、このアシュトーリアさんの部屋に隠れてもらっているのだ。

ついでに、アシュトーリアさんの護衛も務めてもらっている。

並みの相手であれは、ルリシヤが返り討ちにしてくれるよ。

この上なく頼り甲斐のあるボディーガードだ。

それに、こうしてシュノやアリューシャも入り浸っているから。

ここにいる限り、二度と、決してアシュトーリアさんをサナリ派の好きなようにはさせない。

『青薔薇連合会』が『青薔薇連合会』である為に、アシュトーリアさんだけは守り通さなくては。

「本当に、心配をかけたわね。アイズ」

アシュトーリアさんは、眠っているシュノの頭を撫でながら言った。

「えぇ、全くです…。心配しましたよ」

「ふふ、ごめんなさいね。でも私は、何も心配していなかったわよ。私に何かあっても、あなたがいるもの」

…。

「あなたになら、何の憂いもなく『青薔薇連合会』を任せられるわ」

…そう言ってくれるのは嬉しい。

アシュトーリアさんの信頼を受けて、大変光栄だと思う。

…けど。

「…アシュトーリアさん。果たして私は、本当『青薔薇連合会』の次期首領に相応しい器なんでしょうか?」

良い機会だ。

アシュトーリアさんが暗殺されかけ、サナリ派が台頭して以来、ずっと気になっていたことを。

ずっと心に引っかかっていたことを、アシュトーリアさんに聞いてみたかった。
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