The previous night of the world revolution~P.D.~
「成程。その理屈は分かるが…」

分かるんだ。ふーん。

舌先三寸で適当言ってるだけなんだが、意外と通用するもんだな。

頭悪い奴らばっかで助かった。

「でも、正面切って『青薔薇連合会』本部に乗り込むことだって簡単ではないだろう。何か秘策が…」

「誰が正面切って乗り込む、と言いました?」

乗り込むのにだって、やり方ってもんがあるだろう。

「…どうやって侵入するつもりだ?」

「俺達にとって、『青薔薇連合会』本部は古巣ですよ?侵入経路は頭に叩き込んであります」

「…!」

幹部クラスしか知らない、秘密の脱出口とかな。

こっそり『青薔薇連合会』本部に侵入する経路は、いくらでもある。

今こそ、その知識を活かすべきなのでは?「どうやら俺達、あなた方にいまいち信用されていないみたいですからね」

と、俺は微笑みながら言った。

魔性の微笑みを。

「秘密の侵入経路について話せば、少しは信用してもらえますか?」

「…」

あぁ信用してやる、とは言われなかったが。

その顔を見るに、満更でもなさそうだな。

「お前が今立てた、アイズレンシア・ルーレヴァンツァの暗殺計画が成功すれば…お前達の評価を改めても良い」

だってさ。超偉そう。

それならもう、一生認めてもらえなくて良いですよ。

まぁ良い。嘘でも喜んでおくとしよう。

「それは光栄ですね」

「その代わり、確実に成功させてもらう。アシュトーリア・ヴァルレンシーのときのように、今度こそ仕留め損なうことがないよう…」

と、エペルが言いかけたそのとき。

「ま…待ってください」

顔を青くしたセルテリシアが、ようやく割って入ってきた。
< 577 / 634 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop