The previous night of the world revolution~P.D.~
普通に嫌でしたよ。何が嬉しくてミミニアなんかと。

お互いにとって、やりづらいにも程がある。

これまで、お互い一度も互いが戦うところを見たことはない訳で。

手の内を明かすのが嫌なのか、ミミニアの戦闘スタイルさえ知らない。

見たところ、そこそこの手練れであるのは確実だが。

個々の実力が高くても、いざ戦場に出て息が合うかと聞かれたら、そんなはずがない。

むしろ、お互いにそこそこ実力があるが故に、足を引っ張り合ってしまう可能性もある。

お互いに対する信用なんて、ゼロどころかマイナスを振り切っている。

少数精鋭で侵入する今回の計画では、これは大きな不安要素である。

いや、俺はミミニアに信用してもらいたいと思ってるんですよ?

ただミミニアの方が、頑なにそれを嫌がってるってだけで。

まぁ、俺の予定では、ミミニアの信頼を得る必要はもうないんだけどな。

だって、俺達が『ブルーローズ・ユニオン』の幹部でいるのは、今日で終わりだから。

恐らくエペルもミミニアも、俺達を野放しにして、自由に動かせたくないのだろう。

その為、不安要素になると分かっていても俺とルルシーを引き離し。

見張り役とばかりに、俺とルルシーそれぞれに、エペルとミミニアをくっつけ。

それで即席のペアにして、『青薔薇連合会』に侵入することに決めたのだ。

暗殺という目的を達成する為に、お互い猜疑心に囚われてはいけないと思うのだが。

余程俺達のことが信用出来ないんだろう。それは結構。

俺達もこの二人を全然信用してないから、お互い様だな。

とはいえ、ギスギスした雰囲気のまま、これから任務を共にするのは…。

正直言って、苦痛でしかない。

申し訳ないんですけど、チェンジで。

と言いたいけれど、チェンジしたところで、今度はエペルと組まされるだけ。

エペルもミミニアに負けないくらい嫌なんで、チェンジしても無駄なんですよ。

はぁ、憂鬱。

俺の隣はルルシーだけだと、相場が決まっているはずなんですけどね。

何ともやりにくいが、それを顔にも態度にも出してはいけないのが辛いところだ。
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