The previous night of the world revolution~P.D.~
「元々は『青薔薇連合会』ではなく、帝都にある貴族の屋敷の地下に掘られた脱出口だったそうです」

「…」

お互い黙っていると、気まずい空気になると思い。

つまらないことでも良いから何か喋ろうと、俺はこの脱出口について説明した。

まぁ、ミミニアは無視なんですけどね。

聞こえてはいるだろうから、気にせず喋らせてもらうぞ。

「大昔の大戦時に掘られたそうです。戦後、その屋敷は取り壊したんですけど、この脱出口だけはそのまま残っていて…」

「…」

「本部の地下まで掘り進めて、『青薔薇連合会』が再利用することにしたんだそうです。他の脱出口も、似たような理由で掘られたものなんだそうですよ」

って、俺がこんなに懇切丁寧に説明しているというのに。

ミミニアは懐中電灯を手に、愛想の欠片もない仏頂面。

こんなつまらない女と同行するなんて、気が滅入りますよ。

これがもっと巨乳で美人だったら、もう少しやる気になるのに。

顔も並み、乳も並み、それなのに無愛想と来たら、最早救いようがない。

こういうタイプは、俺のハーレムに入れる資格もありませんね。

仕事じゃなかったら、絶対付き合ってないと思いますよ。

「とはいえ、そう度々使うものではないので…この通り、結構汚れてるんですけど…」

俺は、地面に無造作に転がった空き缶や、割れたガラス瓶の欠片を見ながら言った。

誰だよ、こんなところに空き缶捨てた奴。

あちこち散らかっている上に、地下であるからか、空気も淀んでいる。

おまけに真っ暗で、頼りになるのは俺とミミニアが持っている懐中電灯の明かりだけ。

良い感じに雰囲気出てきたじゃないですか。

そこらのチャチなお化け屋敷よりは、断然こちらの方がレベルが高いですね。

『青薔薇連合会』の隠し通路お化け屋敷ってことで売り出したら、それなりに儲けられそうだ。

冗談ですけど。

本当に幽霊が出てきてしまったら、責任取れませんからね。
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