The previous night of the world revolution~P.D.~
「まっ…マジで?アイ公をぶっ殺しに来たのか?」

「はっきりとは言えないけど、そうかもしれないね」

「ぬぉぉぉ…!」

アリューシャは両手で頭を掻き毟った。

大丈夫?

「…そうかよ、あいつらがアイ公を狙うんなら…アリューシャも容赦はしねぇよ」

覚悟を決めてくれるのは有り難いんだけど…。

「大丈夫だよ、アリューシャ。ルレイア達は裏切った訳じゃないから。本気で私を殺すつもりはないはずだよ」

「あ、そっか…。むむむ、ややこしいぜ!」

本当、ややこしいよね。

ルレイア達と連絡が取れないのが歯痒いよ。

「…アイズ、私が出るわ」
 
シュノが静かに、そう口にした。

「パフォーマンスの為だとしても、ルレイアと戦うことになるんでしょう…?なら、ルレイアを止められるのは、私とルリシヤくらいだわ」

「シュノ…」 

「任せて。足止めと時間稼ぎくらいなら出来るから」

…例えフリだけだとしても、ルレイアと戦うなんて、シュノにとっては辛いことだろうに。

「それに、ルリシヤは死んだことになってるから前線には出られない。私が行くわ」

「…分かった、シュノ」

君の覚悟、しかと受け取ったよ。

「ルルシーもルーチェスも脅威だけど、今回一番警戒するべきなのは、やっぱりルレイアだろうね」

ルルシーも充分強いけど、彼はまだ常識の範囲内にいる。

ルーチェスは…確かに彼も、常識の外にいる人間だけど。

非戦闘員であるセルテリシアを連れているということは、ルーチェスは恐らく前線には出てこない。

あくまで今回のルーチェスの役目は、セルテリシアの護衛なのだろう。

すると、やはり一番警戒するべきなのはルレイアだ。

言うまでもなく彼は、常識の遥か外側にいるからね。

まともに相手をしたら、鎌の一振りであの世行きだよ。
< 596 / 634 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop