The previous night of the world revolution~P.D.~
俺が、わざわざ匍匐前進でこんなところまで移動してきたのは何故か。
その答えは。
…頭を潰すことで、サナリ派の連中全員を黙らせる為だ。
奇しくも、『ブルーローズ・ユニオン』と同じことを考えていた訳だな。
俺は、胸ポケットに忍ばせた愛用のカラーボールを握り締めた。
そして、そのカラーボールを鉄格子の隙間から投擲した。
「食らえ!」
「…っ!?」
常日頃、多種多様、実に様々な種類のカラーボールを自作している俺である。
本当なら、最近開発したばかりのシェルドニア王国産の原材料を使った、シェルドニアジゴクレモンの激酸っぱボールか。
目に入ると失明不可避と自負している、シェルドニアジゴクトウガラシを配合した、激辛ボールを使いたかった。
が、今回はルーチェス後輩を巻き込んでしまうので、それらのちょっと過激なカラーボールの出番はお休みである。
残念だが、またの機会に持ち越しだな。
突如天井から降ってきたカラーボールに、セルテリシアもその側近達も、一瞬にして大混乱であった。
けろっとしていたのはルーチェス後輩だけである。
彼にとっても不意打ちだったはずなのだが、余裕だな。
さすがルレイア先輩の弟子である。
それに、心配する必要はない。
ルーチェス後輩に危害を加えるつもりはない。
よって今回使ったカラーボールは、人体には全く無害のフレグランスボールである。
何だかんだ、出番多いよな。フレグランスボール。
毎回同じでは芸がないので、今回は秋を先取りして、金木犀の香りをベースにした期間限定フレーバーである。
フレグランスボールは、ただ良い匂いがするだけで無害である。
が、蓋を開けてみればただ金木犀の香りがするだけのボールだというのに、そんなフレグランスボールでも、不意打ちで投げれば効果覿面である。
爆発物か、と警戒して飛び退くのは勿論のこと。
辺り一面に広がる香りも、よもやガスか!?と顔を青ざめさせている。
ただの金木犀である。
種明かしすれば、自分がどれほど下らないものにビビっていたかと拍子抜けするだろうな。
「この匂いは…!?ガスか…!?」
案の定、セルテリシアの護衛の一人が青ざめていた。
それは金木犀だ。
良い匂いだろう?
秋が来た、って感じがするよな。
「セルテリシア様、ハンカチで口を…!」
と、護衛の一人がセルテリシアに駆け寄ろうとしたが。
もう遅い。
あらかじめ、鉄格子のネジは外してある。
通気孔の鉄格子を外し、俺は天井から床に飛び降りた。
ずっとうつ伏せの格好だったせいか、筋肉が固まってる気がする。
が、不意を突かれて、慌てふためいている連中を取り押さえるには充分だ。
護衛の一人目はぶん殴って気絶させ、二人目は靴に仕込んだスタンガンをお見舞い。
そして、セルテリシアの口にハンカチを押さえつけようとしていた三人目は。
「よいしょっと」
ルーチェス後輩の華麗な回し蹴りによって、数メートル吹っ飛んで昏倒。
教科書に載せたい、鮮やかな回し蹴りだった。
その答えは。
…頭を潰すことで、サナリ派の連中全員を黙らせる為だ。
奇しくも、『ブルーローズ・ユニオン』と同じことを考えていた訳だな。
俺は、胸ポケットに忍ばせた愛用のカラーボールを握り締めた。
そして、そのカラーボールを鉄格子の隙間から投擲した。
「食らえ!」
「…っ!?」
常日頃、多種多様、実に様々な種類のカラーボールを自作している俺である。
本当なら、最近開発したばかりのシェルドニア王国産の原材料を使った、シェルドニアジゴクレモンの激酸っぱボールか。
目に入ると失明不可避と自負している、シェルドニアジゴクトウガラシを配合した、激辛ボールを使いたかった。
が、今回はルーチェス後輩を巻き込んでしまうので、それらのちょっと過激なカラーボールの出番はお休みである。
残念だが、またの機会に持ち越しだな。
突如天井から降ってきたカラーボールに、セルテリシアもその側近達も、一瞬にして大混乱であった。
けろっとしていたのはルーチェス後輩だけである。
彼にとっても不意打ちだったはずなのだが、余裕だな。
さすがルレイア先輩の弟子である。
それに、心配する必要はない。
ルーチェス後輩に危害を加えるつもりはない。
よって今回使ったカラーボールは、人体には全く無害のフレグランスボールである。
何だかんだ、出番多いよな。フレグランスボール。
毎回同じでは芸がないので、今回は秋を先取りして、金木犀の香りをベースにした期間限定フレーバーである。
フレグランスボールは、ただ良い匂いがするだけで無害である。
が、蓋を開けてみればただ金木犀の香りがするだけのボールだというのに、そんなフレグランスボールでも、不意打ちで投げれば効果覿面である。
爆発物か、と警戒して飛び退くのは勿論のこと。
辺り一面に広がる香りも、よもやガスか!?と顔を青ざめさせている。
ただの金木犀である。
種明かしすれば、自分がどれほど下らないものにビビっていたかと拍子抜けするだろうな。
「この匂いは…!?ガスか…!?」
案の定、セルテリシアの護衛の一人が青ざめていた。
それは金木犀だ。
良い匂いだろう?
秋が来た、って感じがするよな。
「セルテリシア様、ハンカチで口を…!」
と、護衛の一人がセルテリシアに駆け寄ろうとしたが。
もう遅い。
あらかじめ、鉄格子のネジは外してある。
通気孔の鉄格子を外し、俺は天井から床に飛び降りた。
ずっとうつ伏せの格好だったせいか、筋肉が固まってる気がする。
が、不意を突かれて、慌てふためいている連中を取り押さえるには充分だ。
護衛の一人目はぶん殴って気絶させ、二人目は靴に仕込んだスタンガンをお見舞い。
そして、セルテリシアの口にハンカチを押さえつけようとしていた三人目は。
「よいしょっと」
ルーチェス後輩の華麗な回し蹴りによって、数メートル吹っ飛んで昏倒。
教科書に載せたい、鮮やかな回し蹴りだった。