The previous night of the world revolution~P.D.~
さて。それでは全ての種明かしをしよう。

俺達はそのまま、『青薔薇連合会』本部にある、広い応接間に移動した。

やっぱりほら、「お客人」を相手にするのだから、応接間にお通ししないとな。

両手足縛り上げてんだけど。

応接間には、既にアイズが待っていた。

「こんにちはアイズ。お久し振りですね」

「あぁ、ルレイア。お帰り」

にこっと微笑むアイズを見て、あぁ、やっぱり帰ってきて良かったと思った。

俺とルルシーの居場所はここでないと。

どんな場所でも、ルルシーと一緒なら天国ですけど。

どうせ同じ天国なら、ここ『青薔薇連合会』が良い。

すると。

「離せ、この裏切り者!」

「暴れるな」

「麻酔弾でも撃ってやろうか?」

ん?この声は。

「あ、ルレイア…。それにシュノも」

「ルルシーじゃないですか」

じたばたと暴れるエペルを、ルルシーとアリューシャの二人が応接室に運んできた。

ルルシーの方も、無事にエペルを拘束したようですね。

まぁ、そりゃそうなるでしょうよ。

ルルシーとアリューシャにサンドイッチされて、逃げ切れる奴がいるなら、そちらも紹介して欲しい。

これで、セルテリシアの側近二人は御縄だな。

「っ、貴様ら…!やはり最初から、『ブルーローズ・ユニオン』に寝返ってなどいなかったんだな…!?」

自分と同じく、無様に囚われてじたばたしているエペルを見て。

ミミニアは憎しみのこもった目で、俺達を睨んだ。

おー怖。

でも、もう演技をする必要はない。

「えぇ、そうですよ。それが何か?」

まさか、「この裏切り者!」と俺を責めるつもりか?

それはお門違いだ。

「終始俺達を疑っていたのは良い判断でした。でも、疑うならもっと徹底的に疑うべきでしたね。中途半端に信用するから、こんな無様に捕まるんですよ」

「っ…!言わせておけば…!」

言わせておけば、何だよ?

簀巻きにされてる癖に、何が出来るつもりだ?

「俺の素晴らしい演技に騙されましたか?いやぁチョロい奴らですよ。特にセルテリシアさん。ぷぷぷ、これが『ブルーローズ・ユニオン』の幹部?尊い血とか言っても大したことないんですねー」

「こら、ルレイア…。煽るのをやめろ」

おっと、これは失礼しました。ルルシー。

ようやく演技する必要がなくなったものだから、つい。

案の定、ミミニアもエペルも、凄まじい形相で俺達を睨んでいた。

あんまり怒らせて、後で報復されても嫌ですからね。

控えめにしておくことにしましょう。

それに、こいつらを「尋問」するのは俺の役目じゃないしな。

すると、そこに。

「…どうぞ、セルテリシアさん。こちらに」

「…」

背中で両腕を縛られたセルテリシアが、ルーチェスとルリシヤに付き添われて応接室に入ってきた。
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