The previous night of the world revolution~P.D.~
「…?どうかしましたか?」

「いや、あの。え?私…カラスとトドを食べちゃった…?」

「…?」

…それが何か?と言わんばかりに首を傾げるフューニャさん。

僕も同じことを思っている。

ソーセージの中身なんて、そんなものですよ。

ブラッドソーセージって、割と世界ではポピュラーだし。

あれ美味しいですよね。独特の風味があって。

「美味しいですよ、フューニャさん。さすが料理上手ですね」

「どういたしまして。あなたがつくったお手製のタレも美味しいですね」

「ありがとうございます」

僕も、フューニャさんの手作りソーセージを食べてみた。

うん、良い味だ。本格的ですね。

手作りのソーセージっていうのも、なかなか良いかもしれない。

しかも、シェルドニア風ソーセージを手作りするとは。

「今度、僕も作ってみましょうかね」

「えぇ。意外と楽しいですよ」

…あ、でも。

シェルドニア風のソーセージは難しいかも。

華弦さんみたいなコネがないと、ルティス帝国でシェルドニア料理の材料を手に入れるのは困難ですから。

すると、そんな僕の内心を察したかのように。

「もし必要な材料があったら、私に言ってください。お姉ちゃんに頼んで、材料を取り寄せてもらいますから」

それは有り難い申し出だ。

「本当ですか?助かります」

「いえ、これもご近所同士のよしみです」

一緒に海水浴でバーベキューする仲ですもんね。

いやぁ、僕はお隣さんに恵まれてて、助かりましたね。

しかし。

「血…。カラス…。トド肉のソーセージ…」

「…フューニャ…。いつの間にそんなものを…」

セカイさんとルヴィアさんは、フューニャさんの手作りソーセージを前に、二人して天を仰いでいた。

…??

美味しいのに食べないなんて、二人共変わってますね。

まぁ、良いか。

バーベキューの具材はまだまだたくさんあるし、他のものを食べれば。

そろそろ、貝類も焼けた頃ですよ。

「セカイお姉ちゃん、はまぐり焼けましたよ」

「食べる!食べる食べる」

「はい」

トングを使って、良い感じに焼けたはまぐりを、セカイさんに取ってあげた。

ソーセージは敬遠していたのに、はまぐりは良いんですか。

美味しいですからね、はまぐり。

「あちち。はふはふ」

食べ方が可愛い。

「美味し〜!ルーチェス君も食べなよ。美味しいよ」

「はい。でも僕、今ソーセージ食べてるんで…」

「…よく食べられるね、ルーチェス君…。カラスとトドだよ…?」

「…?それが何か?」

「…いや…」

こんなに美味しいのに、何でセカイさんもルヴィアさんも食べないのか。

変わってますね。食の好み。

ともあれ。

ソーセージだけっていうのも寂しいし、そろそろ別のものも食べましょうか。

「それじゃ、まるでセカイさんのお腹を彷彿とさせる、こちらの美味しそうなハラミを頂きましょうか」

「召し上がれ〜」

焼けたハラミを取皿に取り、口をつけよう…とした。





…そのときだった。




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